戒名が自分で作れます
明日の法要は「庭儀法要付中曲理趣三昧」(ていぎほうようつきちゅうきょくりしゅざんまい)という法要で、地方ではめったに行われない本格的な法要である。
装束もふだん付けないものばかりなので、袴の裾を踏んで階段からころげ落ちやしないかとか、大事な場面で帯が解けやしないかとか、かなり心配である…
特に中曲行道(「ちゅうきょくぎょうどう」)といって本堂の内陣を歩きながら理趣経を読む。これにはいろいろ細かな約束事があってなかなか難しい。私は6年以上やったことがないのである。
どんどん不安になってきました…
閑話休題
ブックオフオンラインに注文していた「戒名は、自分で決める」が届いた。
- 作者: 島田裕巳
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/05/01
- メディア: 新書
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戒名料の相場は約40万円―たった10文字程度の死後の名前が、かくも高額なのはなぜか?仏教式の葬儀をした時、多くの人が納得できない思いをいだく布施の中の戒名料。そこには厳然たるランクがあり、立派な戒名を授かるには100万円を超えることもある。この戒名こそが葬式を贅沢なものにしているのだ。日本独特の「戒名という制度」を徹底的に解説し、俗名(生前の名前)で葬られること、いっそ自分で戒名をつけることまで提唱した新時代の死の迎え方。簡単!「戒名作成チャート」付き。
「いっそ自分で」というのが笑うところですね(笑)
この本の冒頭8ページ(実質は僅か5ページ)に「早分かり 戒名作成チャート」なるものが付いている。
このチャートに従えば院号付の立派な戒名は完成してしまう。「戒名は、自分で作る」というわけである。
この冒頭の「戒名作成チャート」というのはいわゆるツカミなのではないだろうかと勘ぐりたくなる。それほどに凄い。すっかりやられてしまった…
念のため戒名の説明をしておこう
『AB院CDEF居士(大姉)』
というのが戒名の構成である。
島田先生の「戒名作成チャート」ではまずステップ1で自分の名前から1文字選び、リストに挙げられた30文字の中から一字選べば…
『狭い意味の戒名「戒名(法名)」が完成』
…って、えっ、それだけ!?
「狭義の戒名」では生前の名前から1文字とることが一般に行われている、ではもう1文字はというとチャートにある30文字の漢字から1文字選べというのだが、この30文字というのは一体どこから選ばれたというのは全く不明。
どう考えても、
このチャートを作った島田先生が適当に選んだ文字の中から1文字づつ選んでいくだけなのである。
こうして僅か3つのステップで
院号付の立派な戒名が完成!
戒名とは何かという定義以前の問題として
戒名とは僧侶が付けるもの
というのが大前提である。
初対面の相手に名刺を渡されて肩書きに「文学博士」と書かれているので「どちらで博士号をとられましたか」と聞いたら
「はい、自分で自分に博士号を出しました」
といわれたら唖然とするだろう。
戒名を自分でつけるというのはそれくらい滑稽なことであり、意味が無いことである。
戒名に問題を感ずるなら俗名で葬儀をすればいいだけのことである。もちろん葬儀をしないことも自由である。
なぜ戒名を自作するという方向にいくのか…
簡単な解決策がある。
戒名を付けたければ僧侶になってしまえばいいのである。
→自分の宗派を決める
→僧侶の名前(二文字)を自分で付ける
→宗派の僧衣を着て、頭を剃る(宗派によっては省略可)
これが出家チャートである。僅か3ステップである。
島田先生もこの出家チャートに従って出家されどんどん戒名をつけられたらいかがだろうか?
きっと大勢の方に喜ばれるに違いない。
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