カナダからのお客様

今日は妻と子供を連れて兼務している多禰寺という山寺に出かけた。

昼頃、いつもコメントを頂く関西野生生物研究所代表のK女史のご訪問を受けた。
今回は調査に合わせてカナダの国営テレビの撮影スタッフも同行されているとのこと。
女性のプロデューサーとカメラマンの男性である。

カナダの国営テレビでは日本の文化財がアライグマに被害を受けていることに大変関心があるようだった。

撮影スタッフは昨日、松尾寺の本堂に一晩泊まりこんでアライグマの撮影を試みたが、昨日は3月並の寒さで大変だったそうである。

平地でさえあれほど寒かったのだから、標高の高い松尾寺の本堂での撮影は相当過酷だったはずである。撮影スタッフの一人は体調を崩してダウンされたとのこと。

寒さを気遣って松尾寺のご住職が毛布と熱いコーヒーを差し入れされたそうだが、「こんなに美味しいコーヒーは飲んだことがない」とスタッフは感激されたそうである。カナダ=寒いというイメージがあるが、カナダ人の寒がる松尾寺もすごいと思った…

私も協力させて頂くことになり郊外のお寺にいろいろ連絡をとったが確実にアライグマが生息しているお寺というのが見つからず、結局、多禰寺で撮影することになった。

多禰寺の本堂や山門の周りにはかなりたくさんの爪跡が残っていて、1週間ほど前にもアライグマが捕獲されたばかりである。
私はかなりの確率でアライグマがいると睨んでいる。
今晩は境内にカメラを設置して本堂前の寺務所に泊まりこみをされるとのことだった。仕事とはいえなかなか大変である。


最近、住職夫婦は多禰寺の庫裏で寝起きすることが多い。

私も最近は妻と子供三人で寝起きする生活に慣れてきた。(もっともたまに母親が山寺に泊まりにくると朝、寝起きでぼんやりしていて、母親が起きだしている気配を勘違いして「泥棒か?」と思ったりすることもあるくらいである…)

住職の部屋に入ると、どこから見つけ出したのか昭和初期の本堂や、庫裏の古い写真が額に入れられていた。現在、この山寺の周りには人家は2軒しかないが、昔は20軒あまりの集落があったそうである。その集落の雪景色の写真もあってしばらく見入っていた。

赤ん坊を抱いて何気なく仏壇の前に行くと、亡くなった祖母と祖父の遺影が飾られていた。

私の子供は二人にすればひ孫に当たる。この二人にまだ子供が生まれていなかったことを報告していなかったことを思い出して、「おじいさん、おばあさん、ひ孫が生まれましたよ!」と告げると、不意に胸が熱くなった。

なぜだかわからないが祖父母、父母、私、そして娘につながる不思議な縁(えにし)のようなものが生き生きと感じられたのだ。子供が生まれてからというもの自分が今ここにいることの不思議さと有難さが胸に迫ってくることがある。

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