はやぶさ発進せず  お寺と新しいシステム作り

本日の3時で今年度の棚経も無事終了。疲れました…

今回改めて嬉しいと思ったのは、棚経に行って、家族そろって読経を聞いてもらえることである。逆に、私だ読経している横で子供がwiiとかやってたりするとちょっとがっかりである…
子供が親と一緒にお盆に読経を聞くことで何かが次の世代に伝えられていくと思うのだが。


今日は門前の信者さんのお宅へ棚経に行く日だった。

自動車を止めるスペースの無いお宅も多いので、昨年までは自転車で棚経に回っていた。
今回、地図を見ていると、車を止められないお宅というのは一か所に固まっていることに気がついた。
そこで軽自動車に自転車を積んで出かけ、駐車スペースの無い地域は自転車で回った後で、再び自転車を車に積み込んで、残りのお宅を回るという方法を考えた。

名付けて“はやぶさ作戦”

だが、自動車から子機(自転車)を出そうとした時に土砂ぶりの雨が降ってきたので、作戦は断念して傘をさして一軒づつ歩いて回ることになった。なかなか上手くいかないものである…




今月の「寺門交流」には寺院の新しい取り組みを示す出版物が紹介されていたので早速、取り寄せてみた。

日蓮宗では過疎地域の寺院をいかに活性化するかというテーマで「実践研究 元気な寺づくり読本」(日蓮宗宗務院伝道部 03-3751-7181)という冊子(A4版82ページ)を宗内で配布した。
この冊子では過疎地域のでの寺院経営ヒントになる事例が紹介されている。
福祉施設の運営、永代供養事業、新しい布教所の設置、宿坊の運営、コンサートの開催など内容は多岐にわたる。

もうひとつは浄土真宗本願寺派が自殺防止にどう取り組むかをテーマとして作成した「自死に向き合う〜今、私にできること〜」(浄土真宗本願寺派 東京教区基幹運動推進委員会03-3546-1860)

15ページほどの小冊子だが内容は大変に濃い。

相手とどのような位置で対話するか(<正対せずに少し斜めに向き合う>)、どのような表現が相手を傷つけるか、どのような言葉をかけてあげれば相手に胸襟を開いてもらえるか…

「早朝・深夜にお墓参りに来る」「墓石の前に長い時間留まっている」「滞納していた門信徒会費を突然まとめて納入する」「後継ぎの居なくなったお墓の維持に関して執拗に尋ねる」…これらは身辺整理(別れの準備)であり、援助希求(自死を思いとどまらせてほしい)というサインなのだという。
掲載されているのは深刻な事例が多いが、自分が相談を受けた時に参考になる話やヒントが沢山載っていた。

お寺というのは棚経のような旧来の慣習を維持しつつ、全く新しい寺院運営や寺院機能の開発も課題とされているように感じる。
私の属する宗派でも是非、こうした事例を参考にして新しい取り組みをして頂きたいものである。
イオンが葬祭業に参入してお布施の定額制を物議をかもしている。
伝統を破壊したり、経済原理を導入するだけが、寺院の改革につながるわけではない。一体、何を伝え何を変えるか、真剣に考えずにはいられない。

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