カッコイイという毒薬
米国で10代の難聴が増加しているという。
若者の5人に一人が軽度の難聴になりつつあり、その数は650万人にも達するという。
【関連記事】http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100818-00000009-cnn-in
大音量で音楽を聴くという生活習慣がその原因と考えられるが、日本でも<大音量で音楽を聴くのがカッコイイ>とか<いつも音楽を聴いているのがカッコイイ>みたいな<勘違い>文化が蔓延しつつある。そもそもこれを文化とよぶことができるかが疑問である。正に勘違い以外の何物でもない。
以前も或る雑誌を読んでいたら、若手の女優さんが森での生活を体験するという企画があった。その女優さんが森の中でiPodを聴いていて笑ってしまった。わざわざ森の中まで来て音楽を聴くというのはセンスが貧弱すぎる。
肌で風を感じたり、空気の匂いや湿度、陽光と影のコントラスト…感じるものはいくらもあるのに鄯Podとは…
身体に悪いジャンクフードを食べるのがカッコイイ
乱暴な言葉がカッコイイ
建物に落書きするのがカッコイイ
麻薬がカッコイイ
暴力がカッコイイ…
カッコイイというのは毒薬である。
難聴というのは聴覚の機能が低下することを指しているが、より深刻なのは五感が脳や心と直結していることである。
味覚は塩分や糖分過多で刺激的な味付けにさらされ、視覚は液晶画面のような輝度の高いものを長時間見続け、聴覚は大音量にさらされる…それらが感覚器だけでなく、心や脳にどんな影響を与えるかは未知である。
五感を破壊し、ひいては脳や心に破壊的な影響を与える<文化>が蔓延しつつある。しかもそれらはカッコイイとされている。
このことはモンスターと形容されるような日本人が沢山生まれつつあることと無縁ではないように思う。
このことをどれくらいの日本人が意識しているだろうか。
こうした危険な文化を回復に必要なものとは何だろうか。
人生や人間について深く考える
自分の内面を見つめる
静かな環境で心を落ち着ける
淡味や素材の味を味わう
自然の風景を眺める
身体を動かして汗を流す
エアコンの無い生活をしてみる…
仏教が趣味や現実からの逃避ではなく、現代の日本人に必要とされる理由はこうした下流文化から日本人を立ち直させることにあるように思っている。
にほんブログ村←丹後の山寺に住む副住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)1クリックで1000番くらい全体の順位が変わりますので貴重な1票を宜しくお願いいたします!このブログの大半は個人的などーでもいい喜怒哀楽と雑事ですが、できればこのブログを通じて仏教やお寺というものに理解を深めて頂けたら…と思っております。ランキングの順位が上がるほどいろんな方に見ていただくチャンスが増えますので、ご協力頂ければ幸いに思います。合掌