海老蔵の魂

先日『NHKプロフェッショナル仕事の流儀  第142回市川海老蔵スペシャル「荒ぶる魂、覚悟の舞台へ」』を観た。

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/100819/index.html

歌舞伎俳優市川海老蔵については何年か前にテレビで見た時に何とも言えない脂っこい、遊び人風のオーラを感じて、関心の無い存在だったのだが、番組の中では全く違って見えた。以前見た時より、シンプルになって余分なものが削ぎ落ちた印象に変わっていた。

番組によれば海老蔵は数年前からはっきりとした転換期に入ったらしい。
肉食も煙草も止め、酒も節制。栄養バランスを考えた食事。自分で鍼まで打って体調を整えているという。
こうしたひたすらな自己コントロールの積み重ねの上に、難しい演目に挑戦し続けているという。

「困難な時こそ、攻める」
「自分はまだハナタレ小僧」
「人生は運と、勘と、縁」
「(プロフェッショナルとは)昨日の自分を超えることを継続し続けること、かな」

他人の評価は全然気にならないらしい。
プレッシャーは常に自分から来るという。
歌舞伎本来の『傾く(かぶく)』に至るには?と問われて

「(今の自分)掛ける1000、かな」

この意気込みはすごいなと思わずにはいられなかった。

ただし、身体的には相当に無理をしてるという感じがしたので、その点は少し心配な気がする。
ある日突然ばったり倒れて…みたいなことがないといいのだが。



坊さんとしては聞き捨てならない面白いことも言っていた。

「自分は市川家に生まれることを自分で選んできた」

というのである。(言葉は正確に覚えていないが、そんなことを言っていた)
しかも本当はもう少し「順番が後」だったのだが、自分がこの家に生まれるといって、強引に市川家に生まれてきたのだという。

前世の意識というのだろうか?決してメタファーなどではなく、考えようによっては深遠なことを実にさらりと言ってのけていた。
実に面白い。
正直言って歌舞伎にはあんまり興味がないのだが、市川海老蔵氏の今後については大いに関心がある。


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