秋来たる

秋来(き)ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる


昨日は一日雨が降った。
ほぼ一月ぶりの雨である。雨音も雨の降る気配も嬉しくて、1日心が和んだ。
雨がこれほど嬉しいとは思わなかった。

今日逢った檀家さんと

「いい雨貰いましたね」

と挨拶した。農家の方にとっては待望の雨だったに違いない。



昨日の午前中は小雨だったので、古い塔婆やお札をお焚きあげした。
あまりに干天が続いてお焚きあげができなかったのだ。

火に投じられた塔婆、位牌、お守り、お札…すぐに燃え尽きてしまう。
本堂には優に100年も経った位牌が残っている、そんな位牌でもが火に投じられれば一瞬に灰になってしまう。

往古の人々は火の持っているこうした力に不思議を感じたのだろう。
燃え続ける火を見ながら、この火によって私の煩悩も、迷いも焼尽つくしてほしいと思った。




今朝は4時半に寒さで眼が覚めた。

冷気が膝から這い上ってくるようで、少し鳥肌が立った。

一月近く布団を掛けて寝ていなかった。布団を掛けて、もう一度寝ようとすると、遠くから鹿の鳴く声が聞こえた。
鹿の鳴き声は言葉にするのが難しいが

ぴぃぃぃとぉろろろろぉぉぉ

というような甲高く、もの寂しい声である。
その鳴き声が大抵3度続く。

暫くして山鳩の野太い声もした。

でぇでぇぽっぽぉぅ、でぇでぇぽっぽぉぅ

山鳩は大抵2回続けて鳴く。少し間延びしたユーモラスな鳴き声である。
そしてまた少ししてカラスの鳴き声がした。

寝床で山の生き物たちの鳴き声を聴いていると、秋の気配が身に迫ってくるようだった。

てゆうか…

こないだまでの暑さはなんだったんだ…

思わず季節の移り変わりにツッコミを入れたくなった。
そして、もう秋が来ているのだなと実感した。


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