「舞姫」「日本宗教史」

【お知らせ】昨日、HPを少々更新いたしました。ご笑覧頂ければ幸いです。
http://ujimaccya69.hp.infoseek.co.jp/



【山寺の本棚】

本日で「ゲゲゲの女房」が最終回とか。

最近、民放でもやたらと「ゲゲゲの女房」に関する番組をやっている。
水木しげるという人は偉大なる変わり者というべきだろう。もっとも、変わり者が一家のあるじだと、奥さんや家族は大抵人に言えない苦労をすることになる。

私もどちらかといえば変わり者と言われることが多いので妻や家族はその分苦労していると拝察申し上げる。妻が自伝を書くとしたら

「ギギギの女房」か…(←僧名が「ぎ」という言葉ではじまるので)

最近、の中古書店の成果と言えば山岸良子の「舞姫」と末木文美士の「日本宗教史」。

舞姫」(第2部3巻)は引き込まれた。
相変わらず主人公以外の登場人物が少しラフな感じのするのが少し気になるが、なんといっても超絶的テクニックを持つ中国系ローラ・チャンの意外な“素顔”が…
これはヤラれました。「そうくるか!…」と思わず呟いてしまった。


やはり山岸涼子は素晴らしい。
バレエ好きの方に第1部をお貸ししたら、絶賛されてました。

ひたむきな生き方、そしてその中に交錯する影の人生。
人間の美しさと醜さ。
人生の不思議さ。
人間の暗黒面をみつめつつ、飽くまで救いを提示できる作者の心の強さと美しさに拍手である。

日本宗教史 (岩波新書)

日本宗教史 (岩波新書)

「日本宗教史」はまだ第一章の半分も読んでいないがこちらも「そうくるか!…」という内容にガツンとやられてしまった。
末木氏の「日本仏教史」は名著の誉れが高いが、本書も期待を裏切らない内容を予感させる。

日本仏教史―思想史としてのアプローチ (新潮文庫)

日本仏教史―思想史としてのアプローチ (新潮文庫)

田舎の家にお参りに行くとよく床の間に「天照皇大神」の軸が掛っていることが多いが、このアマテラスの確立には仏教が大きく影響しているというのである。
自分の無知をさらすようでお恥ずかしいが、全く知りませんでした…

主要な神々がそれぞれ個性を持った記紀神話は、恐らく仏教の諸仏・菩薩の話を受容して形成されたものではないかと思われる。記紀神話というと、ともすれば仏教とは無縁のものと考えられがちであるが、それが七世紀後半から八世紀にかけて大きく形成されたものとするならば、当時大陸伝来の文化として大きな力を持った仏教の影響のないほうがおかしい。『日本書記』の編纂には、唐への留学から帰った僧道慈が関わっていたと言われる。そうとするならば、そこに仏教の影響が入り込んだとしても、まったく不思議はない。

確かに「古事記」の注釈を読むと、予想以上に中国文化の影響があることが分かる。
古代=<外国文化の影響を受けない“素”の日本文化>というのは大いなる幻想だと感じてはいたが、こうもはっきり指摘されるとは…

これが事実なら後代の神仏習合は全く違った意味を持つことになるではないか。
いやいや面白い…

ようやく涼しくなった秋の夜更けは読書にぴったりである。
 ブログランキ

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