山寺の超常現象

本日は素晴らしい好天。
人出も絶えることがない。

団体が来られると引率して三重塔まで行って簡単な境内の説明や簡単な法話(雑談?)をするのが常である。

3時ころ頃神戸から来られたもみじ狩の一団を率いて三重塔に行こうとした。
すると…境内の空気が変わっていることに気がついた。三重塔の手前50メートルほど手前から境内が一望できるのだが、穏やかな日差しが本堂に続く石段にも、三重塔にも射している。何だろうかこの美しさは…。八木重吉の詩のようである。

その場で立ち止まって団体の方々にじっくりとその光景を観て頂いた。
皆さん言葉少なげに紅葉に午後の日差しが照り映えるのを観ておられた。




ところがその15分後に別の団体が来られた。

この団体さんにも喜んで頂けるな…と思っていたのだが、塔のそばまで来ると、日差しはもう斜面の上のほうにしか当っていなくて、塔周辺は陰り始めていた。本当に僅かな時間の邂逅だったのだと思うと一層貴重な気がした。




多くの神社仏閣がアライグマの侵入や破損により大きな被害を受けている。

この山寺にもあちこちにアライグマの侵入している痕跡があり、その対策に頭を痛めている。
お金をかけず、手間をかけず、できればアライグマを殺さずに被害を防ぐ方法は無いものか…と考えている。

いろいろアドバイスを頂いている獣害対策の専門家の方から新しい獣害防止装置のモニターを依頼された。
こちらの金銭的負担は無いとのことなので即承諾した。現金なものである。
手始めに被害状況を確認するためにアライグマの侵入状況をカメラで撮影したいという。

専門のスタッフ3名が来寺してかなり本格的な夜間撮影のカメラを本堂の周辺に何台も設置。

撮影は2日間行われた。

第1日の夜間撮影をチェックされた技術者の方に成果をお尋ねすると残念ながらアライグマは撮影できなかったとのこと。
以前もカナダから撮影チームが舞鶴にやってきて、何カ寺かで夜間の撮影を試みて失敗した経緯がある。夜間に行動するアライグマを撮影するのは至難のようである。

この技術者の方によれば夜間に何回か光るものが映っているとこと。
夜の本堂に明かりを持ってくると言えば賽銭泥棒しかいない。あるいはもっと本格的な侵入に備えた下見か…

警戒しなければということで、昨日は本堂に通じるセンサーや警報機のレベルを上げて、万全の警戒。
一度境内に不審な車両が入ってきた。車から降りた2名の後をつけたのだがライトアップの期日を間違えてやってきた観光客と判明。
人騒がせな…

夜間撮影2日目が終わって技術者の方がカメラを撤収に来られた。

やはり2日目もアライグマは映っていなかったとのこと。
獣害対策の専門家によればアライグマは冬季になってから家屋に浸入して越冬する可能性もあるという。
この時期、アライグマはまだ家屋への侵入は行っていないのかもしれない。

ところが…

技術者の方が神妙な表情で
「ご住職、ちよっと見て頂きたいのですが」
と言ってノートパソコンに収めた夜間の映像を見せて下さった。
画面は4分割されていていろんな角度から撮影されているのが分かった。

暫くしてそのうちひとつの画面に光の球が現れた、ふらふらと漂いながら本堂の屋根の庇(ひさし)近くを漂っている。
球体でありながら形を変えて移動し消えていく。大きさははっきり分からないが子供の頭くらいか、それとも掌くらいか…

これって…

「人魂でしょうか?…」
技術者の方も興奮とも当惑ともとれる表情。
 
人魂か、それに類するものとしかいようがない…
第1日目に映っていた光るものの正体もこのことらしい

カメラはいろんな角度から本堂を撮影しているが人影は全くない。
山の中腹にある本堂に光源は無い。
最新の撮影機材を専門家が操作しているのである。
悪戯や錯覚とも考えにくい…

純粋に光学的な現象として説明できる可能性は否定できないが、2日連続
で映っていたものは一体何なのか…

秋も深まるなかちょっとゾクゾクするような楽しい体験だった。

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