お坊さんの悪夢 クリームチーズを仏様に
昨日は夢見が悪かった。
夢の中である見知らぬお坊さんに「○○寺の法要に参加するの忘れてたでしょ?」と言われて、夢の中でお詫びの品を持って○○寺に謝りに行くのである。
暫くして別のお坊さんに「××寺の法要に参加するの忘れてたでしょ」と指摘され顔面蒼白になる。
しかもリアルタイムで××寺の住職の不機嫌な顔や私への厳しい非難が手に取るように分かる…
メチャクチャ嫌な夢だ…
節分の準備がなかなか進まないので、そのストレスでこんな夢を見たらしい。
もうひとつの心あたりは先日、市内の酒店兼進物店「洋酒の佐藤」で進物を買い、紙袋に入れて床の間に置いておいたのだが、それが心に残って「進物の品」→「お詫びの品」→「失敗してお詫びに行く」という連想が生まれたらしい。
もっとも夜8時頃になってもまだ明日の準備をしていて、実は本日の7時から地元の仏教会の会合があったのを忘れていたことに気がついた。慌てて欠席のメールをした。半分は正夢になったのである…
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法要でどのような内容の祈願をするか考えていて「密教瞑想と深層心理」を読んでいたら、いろいろ面白いことが書いてあって道草ばかりしている。
真言系寺院の本堂の中央には大壇という壇があり、仏具や花、香、供物が置かれ、僧侶はその前に座って読経や護摩などの法儀を行うことが多い。
この大壇はインドでは野外に露天で作ったのが元型であり、本来は牛の糞や尿を固めて作るのだという。
インドで牛は聖獣であり、牛の糞尿も神聖なものであるとの由。
文化の伝播というのは壮大な伝言ゲームなので、いくつもの文化を抜けて仏教が伝えられるうちに現在のような木製の大壇を屋内で使用するようになったらしい。そしてこの大壇はただ物を置く場所ではなく、これ自体が一個の曼荼羅の役割を果たしている。この中に本尊を始めとする仏が招来されるのである。
明日はこの壇の中央の炉で護摩を焚くのだが、そこで用いる油は蘇油といって牛酪から作った油なのである。
史料を見ていたらクリームチーズのようなものに胡麻油をかけたもので代用できる気がしてきて、いっそのこと市販のクリームチーズを油に溶かしたら自家製の蘇油ができるのではないか…などと、いつものようにどうでもいいことを延々と考えていたら。醍醐という言葉を想いだした。
日本では10世紀に牛の乳を精製して作った醍醐という食べ物が存在していたことが知られる。
これを指して「古代人もグルメだったんですね…」というようなことが言われるが、醍醐をはじめとする乳製品は単なる贅沢品というより仏教文化の文脈でとらえたほうがいいのではないか思いついた。
「曼荼羅」の「羅」とは≪所有≫≪成就≫という意味であるらしい。
そして「曼荼」とは≪本質≫≪中心≫≪神髄≫≪醍醐味≫などを意味するという。
醍醐は乳酪を精製した最上のものという意味で≪本質≫という意味があるのだと思うが、そもそも牛が聖獣であり、その分泌物である乳酪の最上部分ということは、やはり単なる≪本質≫というより「至高の神聖性」というようなニュアンスを持つのだろう。
というわけで、とりあえず明日はお供えの中にクリームチーズを加えてみた。仏様は喜んで下さるだろうか。
それにしてもいにしえの醍醐というのはどんな味だったのか、一度味わってみたいものである。
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