般若経の謎  夜の座禅会 

昼食後、地元の歴史研究会の例会に参加。

毎回参加したいのだが、法務と重なることが多くて、なかなか参加できない。
今回も4カ月ぶりである。

今回は地元に伝わる大般若経に関する話題が中心。

大般若経は600巻にも及ぶ大部のお経だが、古くから信仰され、全国に広く流布した。
ところが、大部な為、永年開かれないで放置しておくと、湿度で紙がくっついたり、蟲に食われたりすることが多い。大般若経の調査に参加された方によれば竹のヘラで一枚づつくっついた紙面を剥がしてくのが大変だったという苦心談を伺った。

大般若転読会という法要があるが、これは経本を手に持ってアコーディオンのように素早く広げて閉じるという所作を繰り返す。
良く考えると、お経の保存の為には、こうして経本を外気に当てるのは大変に有効でるということに気がついた。
長時間仕舞ったままだと湿度や虫害にやられるからである。
大般若転読会にはきちんとした宗教的意義があるのだが、それとは別に大部の般若経をメンテナンスする意味があった…といったら怒られるだろうか。


頂いた史料の中に能楽の「大般若」について簡単に触れられていた。
この中では玄奘三蔵深沙大将から般若経を授かるのだという。
山寺にも深沙大将の像があり、深沙大将に少なからぬ関心がある。多くの場合、深沙大将玄奘の守護神的に描かれることが多いが、般若経そのものを授けるというのは初耳。大変興味深かった。

「大般若」について調べていたら、いろいろと面白いことが分かった。
女性の恨みや妬みを表す鬼女の面を「般若」というが、「般若」の中でも最も恐ろしい面を「真蛇」というのだそうだ、ところが「真蛇」は「深沙」とつながりがあるという説を見つけた。

  般若経→般若の面  深沙大将→真蛇の面

面白いつながりが発見できてちょっと興奮。 



夕食の後、地元の禅寺の座禅会に参加。

禅寺は海岸のそばの小高い位置にある。
禅寺に続く道路は海岸のすぐ脇を通っている。強風で潮が岸壁に叩きつけられると、道路のすぐ脇に2メートルほどの水柱が立つ。
その寒々とした光景が頭から離れない。

本堂に入って香の香りが鼻から抜けていくと身体が引き締まる。
本堂で座っていると寒さがしんしんと身体に登ってくる。
膝の上で組んでいる両手が痺れて感覚が無くなってくる。

久々にゆっくり座禅でき満足。もっとも雑念が多く閉口したが。

座禅の後はご住職とお茶を飲みながら話をする。
一緒に参加された方で宗教全般に詳しい方がおられていろいろ教えて頂きいろいろと勉強になった。

お寺を出ると丁度、霰が降り始めた。
真っ暗な夜道を霰に打たれながら車で走っていると、自分の家の灯りが早く見たい気分になった。

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