裸足で駆けてゆけ  ヨーガと密教と極意

紫陽花の名所である自然文化園から紫陽花展の案内が届いた。

【自然文化園アジサイ園】http://www.city.maizuru.kyoto.jp/hanamidori/#sanyasou

忙しかった5月ももうじき終わり、梅雨に入ろうとしている。


元気一杯の娘を裸足で遊ばせることがある。

もっとも…

少し眼を放すといきなり山の中に駆け込んでいったりする。

さすがにムカデやマムシが怖いので慌てて身柄確保。

自然の中で暮らすというのは危険も不便も伴うが、人間に根源的な何かを与えてくれることだと思っている。
大変なこともあるがやっぱりこの環境に感謝している。

娘よどこまでも裸足で駆けてゆけ!



空海とヨガ密教

空海とヨガ密教

小林良彰空海とヨガ密教」を読了。

帯には…

初めて明かされる“失われた密教”の全貌
日本でただひとり、弘法大師に連なる著者が発掘した、空海の真実と密教の知られざる奥義!


アオりますなあ…(笑)

結論からいえば玉石混交の内容と感じました。

読んで損ではありませんが、“奥義”や“全貌”には遠い。
著者は密教にもヨガにも理解不足の感が否めない。

ヨガ密教の奥義について述べるはずの最終章がグダグダで終わっているのも残念。


但し資料の解釈の仕方などには一定の評価ができる。
蛮勇故の成果というものが随所に見られる。
空海論に投じた一石というところか。
文字通り一石だったりして…

ヨーガの極意―ヨーガスートラを体験するために

ヨーガの極意―ヨーガスートラを体験するために

小山一夫「ヨーガの極意」も読了。

こちらは今まで読んだ中でも最高レベルのヨーガ書。
「極意」と謳っているが著者にとっては初級〜中級レベル。

ヨーガを数年でマスターして、自己の専門分野で成功すればよいというニュートラルな姿勢も当世風。高岡英夫氏の身体意識論を思わせる。


成功のインフラとなるヨーガへの基礎論である。
但し内容は極めて高度。
本書は小山氏の直伝講習会を紙面で再現したものだそうだ。
従って実践的というよりも理論的であるが、随所に小山氏の超絶的な体験が語られる。

ヨーガだけでなく中国の養生医学、深層心理学、大脳生理学などを加味し、科学的、統合的なヨーガメソッドの開発という点では世界水準ではないかと感じる


ヨーガと密教は接点が多いが、現在の真言宗ではその関係が分かりにくくなっている。


   但し…

著者はヨーガを宗教から切り離すということに非常に強い意識がある。
強すぎるというべきかもしれない。

どんな分野であれ成功したいと思ったら、或いは、自分の試練を乗り越えようと思ったら信仰は力になってくれる。

絶対なる存在と先祖に加護を祈ることはとても有益だと思うのだが。

祈るだけで何もしないというのは論外だが、小山氏にとっての宗教というのはどうもこのレベルなのではないかと思わせる。そんな記述が繰り返しでてくる。

「もっと科学的に取り組む為には、ヨーガから戒律や信仰などの宗教色を排除しなければならないというのが私の結論でした」

「輪廻転生とは無知のもたらす産物なのです」

「宗教とは本来、人間の心の平安と真の自由を与えるものであるはずなのに過去の例を見る限り、むしろ平安を妨げ自由を束縛してきたように思えます」

「通常、宗教は無形の神仏を盲目的に信仰することを要求しますが、それぞれの神仏はそもそも確認不可能なのです」


知的、科学的にヨーガを探求しようとするあまり、性急な宗教否定に向かっている気がするのがちょっとひっかかる。

全く相反するように見える宗教と科学がいつか大いなる接点を見いだし、がっちり手を結ぶ日を待ち望んでいる。


全体を通読したのでこれから精読モードに入ってじっくり読みこんでいきたい。

密教にヨーガ的要素を取り入れるには非常に優れた示唆を与えてくれると思う。

同書のヨーガをマスターすれば非常に高度な能力が開発されることは間違いない。

その時にその人間性を律するのは理性なのか道徳律なのか。

それとももっと別の何かなのか。

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[決定版]生きがいの創造

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