神父さんとコーヒーを アンパンマンはなぜ顔を欠いたまま空を飛ぶか

昨日は訪問、電話の多い一日で結構疲れた…

午後になって不思議なイントネーションで電話が掛ってきたので少し戸惑った。

よくよく聞いたら京極マリア像開眼法要で御一緒した神父さんだった。
茶店でコーヒーでも飲みながら御話しませんかとの御誘いだった。


というわけで本日は東舞鶴駅そばのホテルアルスタインに入っている十番舘にてコーヒーを飲みながら愉しく御話した。

頭ツルツルで作務衣姿の私が神父さんと御話しているのだから不思議な光景かもしれない。

ちなみに十番館のポットコーヒー(450円)はカップ三杯くらい入っているのでお得。
長話のお供にもってこいである。ケーキも美味しかったです。


神父さんは哲学や日本文化についていろいろ研究されているようで
ニーチェとか西田幾太郎などの名前がポンポンでてくる…
哲学はあんまり詳しくないので相槌を打つのがやっとである。


手書きの原稿を見せて貰ったらものすごい流麗な日本語なので
思わず褒めたら

「代筆デス」

…どうりで奇麗な筈。

仏教について質問されたので如来、菩薩、独覚などの違いについて少し説明した。

日本での赴任を終えてこれからカナダに帰られるとのことだった。
車で駅まで送る途中、車窓の風景を見て

「サラバ宮津!」

と言われたので
思わず

「…ここは舞鶴ですけど」

と一応ツッコんでおいた。

神父さんと御話する機会などめったにないので大変愉しい時間だった。
またいつかお逢いしたいものである。


テレビアニメ魂

テレビアニメ魂

少し前に買った山崎敬之「テレビアニメ魂」を再読。

著者は東京ムービーで主にアニメのシナリオライターとして沢山の作品に関わってこられた方である。

巨人の星」「アタック潤・P」「新・オバケのQ太郎」「赤胴鈴之助」「ど根性ガエル」「はじめ人間ギャートルズ」「元祖・天才バカボン」「家なき子」「宝島」「おはよう!スパンク」「名探偵ホームズ」「それいけ!アンパンマン」などなど…


私達の世代なら誰でも知っている懐かしい作品にかかわってこられた方だ。
従って、その内容が面白くないわけがない。

アニメの創生期から発展期にいたる裏話、苦労話、秘話が満載。



巨人の星」「アタック潤・P」という熱血スポコンアニメで成功した東京ムービーが挑戦した新企画が法律の解説本をアニメ化した

「六法やぶれ君」

…さすがにこれを知っている人はいないだろう…

同様の法律系マンガは青年向けマンガ誌で連載されているから、非常に先見の明があったというべきだろう。

本書には余りにも時代に先行しすぎていてヒットしなかった作品も沢山でてくる。
クリエイティブな仕事の面白さだろう。


日本のアニメがスポンサーの意向やキャクターグッズの販売といったものに大きく左右されているといった厳しい現実にも触れられている。



一番素敵だなと思ったのは著者が「アンパンマン」をアニメ化するにあたって、作者のやなせたかし氏を訪れた時のエピソード。

アンパンマンは自分の顔をちぎってお腹を空かせた子供達に与える。

顔が欠けたままでアンパンマンが空を飛んだりするのは奇異な感じがするので、アニメでは設定を変更させてほしいと頼んだそうである。


やなせ先生を訪ね、僕は問題点を単刀直入に切り出した。顔を食べさせるという設定をアニメでは変更させてほしい、と。しかに先生の返事は、これも明快に「ノー」だった。

その理由をやなせ先生はこう述べた。

「僕の考えるヒーローというのはね、例えば子どもが困っているところを助けてあげる、それだけじゃだめなんだ。もしその子がお腹を空かしていたら、たとえ自分の身体の一部でも分け与えて食べさせてあげる。これが真のヒーローだと思っている。そういうヒーローものとして、僕は『アンパンマン』を描いているし、これからも描きつづける。
僕は感銘を受けた。この原作には、余計な修正は一切加えるべきではないと思った。
                           山崎敬之 「テレビアニメ魂


以前はアンパンマンが顔を欠いたまま空を飛んでいる絵を見て笑っていたが、このエピソードを読んでいたら、涙がポロリとこぼれた。

自分の身を削って人々に与えるというのは仏教でいう菩薩の心そのままではないか。

善哉アンパンマン。善哉やなせたかし


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[決定版]生きがいの創造

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当山所蔵の快慶作“深沙大将立像”は7月16日から28日まで奈良の国立博物館に出展されます。その前後は不在となりますので、当山の仏像を拝観希望される方は御留意下さいませ。
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