クリリンの後悔
家族にそそっかしいとよく笑われる。
自分が笑われるだけならいいが人には迷惑をかけたくないといつも思う。
気をつけてはいるのだがそれでも時々思わぬ失敗をすることがある。
数日前に兼務寺院の多禰寺というお寺に留守番に行った。
夕刻に法事を頼まれていたので、着替えを一揃い風呂敷に包んで持って行った。
法事の時間が近づいたので着替えようと風呂敷包みを解くと…
…帯が無い…
白衣の上の帯を絞めて改良服という黒い僧衣を着る。
施主の家で改良服から色衣(しきえ)という紫の僧衣に着替えて法事を行うが、どちらにせよ白衣の帯が無いとお手上げである…
しばし考えて…
白衣の上に色衣の紫の帯を締めてその上に改良服を着た…
これしか解決策がない。とりあえず外見はノープロブレムである。
問題は施主の前で着替える時どうするかである。
改良服を脱いだら白衣の上に紫の帯…というのはかなり不自然。
だが、帯を取りに帰っている時間が無い。
施主のお宅に着くと昔風の一軒家で、仏間のある部屋の隣が縁側になっていた。
というわけで何食わぬ顔をして縁側に出て障子を閉めて着替えることで取り合えず格好がついた。
色衣に着替えて、仏間に入ると、小学生の男の子が4人ほどやってきた。
どうやら施主の親族の子供達らしかった。
どういうわけか僧侶という職業がとても珍しいらしく、まとわりついて、しきりに話しかけてくる。
子供は嫌いではないので受け答えしていると、一番年少の一人が私の剃髪した頭を撫でた。
「クリリンみたいや!」
「年齢的にはあんたのほうがクリリンに近いよ…」と内心思ったが、その様子があんまり無邪気なので黙っていた。
すると他の子供達も「こんな珍しいものを触れる機会はない。触らないのは損だ」みたいなノリで一斉に私の頭をクリクリと触り始めた
クリクリクリクリクリクリクリクリ…
正座している私を取り囲んで口ぐちに感触を言いあいながら僧侶の頭を触る子供達…
そこへ施主が挨拶に入ってきた…
子供達は部屋から追い出され、法事の間も仏間に入れて貰えなかったの少し可哀想だった。
ただ少し心配なのは私以外の僧侶を見た時に同じように頭をクリクリ触ったりしないかということである。
場合によってはかなり痛い目に逢う可能性があることを言っておくべきだったと少し後悔している。
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