夏への扉 軽トラックに後光さす 「元伊勢籠神社御由緒略記」
夏は子供の季節。
娘は妻と毎日、境内の向かいの公園を散歩して川遊びするのが日課。
娘は一人の時は思いっきり遊ぶのだが、他の子供がやってくると突然態度が豹変。
ひたすらじーっと相手を観察するのである。じーっと、じーっと、じーっと…
将来は野鳥の会かストーカーか…
【駐車場にずらっと並んだ軽トラック】
先日の日曜日は年に一度の奉仕作業の日。
この日の最高気温は37.4度。
地元の有志の方が山寺のお手伝いに来て下さる日である。
駐車場にはずらっと白い軽トラックが。
約30人ほどの方が来て下さった。
男性30人の労働力というのは大したもので私のひと月分くらいの仕事が2時間ほどで完了したのではないだろうか。
【今回の作業の中心はもみじの下刈り。大人の背丈ほど生えていた夏草がみるみる…】
【きれいさっぱり…】
檀家の少ないお寺なので、この奉仕作業というのは大変大変有難いのである。
走り去っていく白トラックに後光がさしておりました。
「元伊勢籠神社御由緒略記」(もといせこのじんじゃごゆいしょりゃくき)
という冊子を或る方から頂いた。
天橋立の籠神社(このじんじゃ)の宮司である海部光彦氏が書かれたものだが、「うーん」と唸るような不思議な、興味深い話がいろいろと書かれていた。
前から気になっている大きなテーマが<天皇家><大陸との交流><海の民>という3つを共通のキーワードにして小浜、舞鶴、宮津にかけての広い範囲にいろんな痕跡が残っているということである。
雪舟の晩年の大作「天橋立図」(国宝)は単なる写生的描写では説明のつかないことが多い。
画面右下に黒い小さな二つの島影があるが、これが舞鶴の冠島・沓島なのである。
つまり真景というよりはもっと複雑な意図で描かれたものであるということである。
海部氏によれば冠島と沓島は籠宮の海の奥宮であったという。
沓島・冠島は神道や神仙思想と関わりがあり、海底に没したとされる幻の島「凡海郷」の一部であるともされる。この件は大変に興味深々の内容…
籠神社はそもそも匏宮(よさのみや)と称したが、「匏」(ヨサ)とはアメノヨサヅラであり、ヨサヅラとは瓢箪のことである。
資料の名前は失念したが、舞鶴市史について調べていた時も何度かこの瓢箪の記述があった。
海洋民族にとって瓢箪は特別な存在であったらしい。
水を入れる容器であると共に、浮きとしても利用されたという。
瓢箪の種子は海水を被っても発芽する耐久性を持っているが、どうももっと他の理由があるようにも思う。
とにかくこの「元伊勢籠神社御由緒略記」は20ページほどの冊子ながら、大変に興味深い内容が書かれているのである。
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