『御リス物語』  子供の王国


【本日の御リス様】



何れの聖代でありましたか、丹後の山里にいとやんごとなき御リスの御住まいなして「むろの庵」を結ばれ、「夢露庵」とも「無漏庵」とも号されました。


金殿玉楼に住まう高貴なお方なれど、仏道に精進されれ、天下万民幸多かれと祈られる日々を過ごされるのでした。


   はむはむと ドングリ食(は)む身の哀しけれ 我身ひとつの春にはあらねど


    


最近、娘が気にいっているのがコーギー犬のバロンを散歩させること。


コーギーが寝ころべば自分も寝ころび、コーギーが匂いをかぐと自分も匂いをかぐ。


少し散歩の域を超えている気が…




毎日のようにコーギーと公園へ裸足で駆けてゆく。


いつも足裏をすりむいていて、今日は客間の畳に血痕がいくつもあった。



今日、妻から聞かされた話はかなりびっくりした。


妻が娘になぜ裸足になるのか尋ねたら



「バロンも裸足だから」



と答えたらしい…


これには少し言葉がでなかった。


そうくるか…みたいな(笑)



子供には子供の感性と論理があるのだろう。


そして“変わり者”と呼ばれることの多い困った親父の血統をしっかりひいているらしい。



新緑の公園は気持ちが良い。



人も殆どいない公園を娘は縦横無尽に駆け回っている。


公園は子供の王国である.。


裸足で駆けた草の感触をいつまでも忘れないでいてほしい。





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