歴史の森に分け入って 「倭人伝をよみなおす」
【本日の夕ご飯は人参葉のかき揚げ。美味でした。】
本日は兼務寺院である多禰寺にて留守番。
いつもは暇なのに…
今日は何故か忙しい…
団体参拝の下見、グループの拝観、人生相談、緊急の連絡、遠方からの来客などなど…
それでも、
先日、アマゾンのマケプレで買った2冊をハイスピードで飛ばし読みました。
久々の良書2冊です。
- 作者: 森浩一
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/08/06
- メディア: 新書
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- 作者: 溝口睦子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/01/20
- メディア: 新書
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先日来、大阪職員のイレズミ問題がクローズアップされてますが、有名な「魏志倭人伝」にも倭人が刺青をしているという件がある。
刺青=未開というイメージがありますが、
刺青は漁労民にとってはパスポート的役割もあったそうである。
例えば水死体として漂着しても刺青からどこの地域の住民から判別できたという。
刺青にもちゃんとした文化性や役割があったようなのである。
中国は儒教の関係で刺青は否定されたとされるが、実際には日本との関係の深い越国などの海辺は刺青が盛んだとのこと。
弥生人が渡来したとされる越国(中国東方沿海)も刺青が盛ん…
とにかく面白く、眼からウロコのネタが一杯です。
それにしてもこの森浩一という人の描く古代史はなんと魅力的なのだろうか。
学問的価値の高さ。堅実さ。文学的といっていい瑞々しさ。
行動的なフィールドワーク。詳細精緻なテキストの読み説き。
歴史を説き明かすことへの若々しく、ひたむきな情熱。
「魏志倭人伝」はあまりにも有名な資料だが、多くは邪馬台国の所在地を記したものとしてしか言及されないことが多い。
だが森氏はこの第一級の歴史資料としての「倭人伝」に様々な角度から光を当て、フィールドワークで得た土地勘を重ね合わせていく。
本書は「倭人伝」の詳細な読み説きでありながら、多くの重要な先行の研究に触れている。
そして卑弥呼はなぜどのように死んだか、邪馬台国は何処にあったかといった、本質にせまる最重要の問題にもズバズバと言及している。
新聞連載に加筆したものなので、実に読みやすいのも有難い。
歴史に分け入って、その深い懐に飛び込むというのはなんとも心踊る時間であると実感させてくれる1冊である。
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