“ゴイン”してください 

お坊さん専門誌「寺門興隆」を読んでいたら善意の方から大きな鐘を寄付されたというお話が載っていた。



大きな鐘が届いたが鐘つき堂がないので檀家さんとトラブルになり、御住職は長年の托鉢行脚で浄財を集め、鐘つき堂を立てられたという…



いくら善意でもお寺に負担になるような寄付はいかがなものかと思う。




本堂で使う大きな鐘は馨子(けいす)と呼ばれる。



馨子の響きは厳かで良いものでる。



馨子は全面を金槌で叩いて作り上げるが、これは大徳寺のお坊さんが考案された製造法なのだそうだ。



しばらく前に他所のお寺でお勤めをする機会があった。



本堂の馨子(けいす)を叩こうとしたら、馨子を叩く棒がやたらに大きい。



大人の私でも握りこめないくらい太いものなのでちょっとびっくりした。



思わず「立派なものですね」と言ったら、檀家さんが馨子と一緒に寄付してくださったそうだ。

 

御住職に相談なしに発注されたもののようだが、お寺に寄進される場合はお寺と相談するのがベストだろう。
時々、残念な寄進の話を聞くことがある。贈るほうとしてはサプライズのつもりが本当のサプライズになるということも。





本日は久しぶりに兼務寺院の多禰寺で留守番へ。



お参りが無いので早仕舞しようとしたら以前にも参拝された親子が来られた。



ご両親は私より少し若いだろうか。
幼い子供さんを連れておられて、この子供さんの病気平癒にこられるのである。



本堂を開けて内拝して居て頂いた。


奥さんは馨子を叩くのがお好きで「“ゴイン”してもいいですか?」とい聞かれる。



「ゴイン」というのは馨子の音をこう表現されるのである(笑)



叩いて貰うと実に嬉しそうな顔でお参りされる。





時々、このお寺で留守番をしていて、いろんな方が手を合わせてお参りされるのを見かけるが、この御両親が手を合わされているのを見ると誰よりも熱いものが伝わってくる。




親とは有難いものだといつも思う。



帰りにおみくじを引かれ、灯明を立て、護摩木を申しこまれた。



最後に山門の鐘も叩いてから帰ると言われるので「フルコースですね」と言いかけたら、
先方から先に「フルコースです」と言われてしまった…



明日は不動様の縁日で護摩を焚くので、今日申し込んで頂いた護摩木をお焚きあげする。



どんな仕事でも、やりがいというものがあるが、懸命なお願いごとを受けて法務を行うというのも冥利に尽きるものがある。



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