日本人のカラダ マンダラ不思議なり
本日22日で松尾寺彼岸供養を終える。
近年、彼岸の中日は23日だが22日が彼岸の中日になるのは実に116年ぶり。
(関心のある方は調べてみて下さい)
- 作者: 本山博
- 出版社/メーカー: 宗教心理出版
- 発売日: 1978/09
- メディア: 単行本
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先日、本山博「密教ヨーガ」という本を買った。
第1刷の発行は1978年であるから古色蒼然とした部分もあるが、包摂された知識の広さや著者自身の修行の深さによって類書にない優れた知見が沢山ちりばめられている。
最近はこの本を手掛かりに少し実習しているがアーサナ(体位)や呼吸、観想などを少しづつ行っていると身体が賦活してくる感覚がある。
改めて人間の身体のメカニズムを考えていると、下半身がしっかり充実し、力が入り、良く動くことで、上半身の力みが抜け、より望ましい状態になるという大きな枠があるように思う。
東洋医学などでいう<上虚下実>である。
ところが現代の日本人は文明という運動の不足のおかげで足腰=下肢が虚しているだけでなく、デスクワーク中心の仕事や勉強、パソコンや携帯などのIT製品の多用のおかげで、必要以上に上半身が力み、循環の停滞を招いている。
緊張すると肩が上がるように、心の状態というのは身体に強く反映する。
日本人特有の真面目さ、緊張しやすさなどはこの状態にさらに拍車をかけているように思う。
宗教というのは人間の心身の探求というアプローチの大系であり、実践の集成である。
哲学、医学、生物学、心理学、言語学、博物学、鉱物学、建築学、社会学、宇宙論…
実に様々な視点が包括されているように思う。
とりわけ密教は心身にアプローチする様々な技法を満載した宗教である。
真言、印、観想、マンダラ、法具、仏像など心身のコントロールと外部の装置を使って仏と一体化しようとする。
- 作者: 正木晃
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/11
- メディア: 新書
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日本のマンダラは胎蔵マンダラと金剛マンダラの2つが主流であるが正木氏はこの2つを統合したことが日本密教の独自性であるという。
日本密教ではこの2つのマンダラを同じ真理の2つの局面と解釈してきた。
このことを専門的には「両部不二」(りょうぶふに)と言われる。
この<両部不二>は空海の師であった恵果が大成し、空海に受け継がれた。
<両部不二>は中国では衰退するが日本では独自の発展をとげる。
そのベースに陰陽思想の影響があることは間違いない。
2つの存在が実はひとつである
…ということは
人間と仏が…
つまりはひとつなのだ。
正直言って私の浅識ではこの発想がどこまでが許されるのか全く心もとない。
<両部不二>は陰陽思想と不可分のものだが、そもそも大乗仏教には
色は空であり、空は色である
という一大テーゼがある。
このことと<両部不二>はどの程度関係してくるのだろうか。
…なんだが自分の分からないことを書き連ねるだけになりそうなので今日はこの辺にして続きは明日にしよう。
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