彼岸花の少年





昨日は法事2件



法事では家でお勤めの後、故人のお墓にお参りするのが通例である。



午前中の法事でも、家でのお勤めの後、自宅から少し離れた共同墓地にあるお墓へ行った。



田園の中の舗装されていない細い、田舎道を辿って地域の共同墓地に向かう。




彼岸花が道路脇に咲いていて緑と赤のコントラスト美しい光景の中を歩いていった。



墓地にも彼岸花が沢山咲いていて、古びた墓石と彼岸花という取り合わせもまた魅力を感じた。



お墓での読経を参列者は細い列を為して自宅に向かっていた。




私はその先頭を歩いていたのだが…




ふと首筋に不思議な感触を感じた。全く経験したことが無い不思議な感触である…



「?????」


振り返ると…



5歳くらいの親族の男の子が折取った彼岸花の花を使って私の首筋をくすぐっているではないか!



彼岸花は冠のような細い花弁があって、それが肌に触れると誠に不思議な感触である。




さすがにちょっとびっくりした…



少年は久しぶりに見る“イタズラ小僧”の顔をしていた。



ささいなことなので黙ってされるままにして歩いていると、それが少年の心に火をつけたらしい。



最初はおそるおそる首筋に当てていた彼岸花を大胆に動かし、



私の頭をなでるというか、小突くというか…



どんどんエスカレートしていき、少年は興が乗ったのか



「おりゃ!おりゃ!おりゃ!」


と勝ち誇った声まであげはじめた。



多分、少年の内心は…



『みんなの前でエラそうにしているこいつが俺の前では手も足だせん!我は覇者なり!!』


くらいの勢いだったのだろう。




きっと少年の心にも彼岸花のような真っ赤な花が満開になったにちがいない。



私は内心、少々心配になった。



「少年よ、大人達に見つかるのは時間の問題だぞ、見つかったらどんなことになるか…」




…でも面白いので敢えて注意せずに黙っていた(笑)




まもなくその現場を見つけた母親らしき女性が



「○△×!!!!(怒怒怒)」



少年を叱りはじめた。




だが…少年は凝りないのか、尚も執拗に小突くではないか。



素晴らしいファイティングスピリット&向う見ず!




私は一足先に退出し、親族方は会食されたようだがその席でこの少年がどのような査問をうけたか…合掌




私は初対面の子供にイジられることがままある。




多分、私が子供が好きだというのが子供にも伝わって「こいつは大丈夫だ」という気配を察知するのだろう。




でも良く考えてみるとお坊さんが集まった席でも時々イジられるので、やはり私は全体的にイジりやすいタイプなのかもしれない。


……



ま、いいか…




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