倉本成春「格闘空手 武道に生きる」 お祓い日和
日暮れに車で走っていると、ヘッドライトに照らされた車道の真ん中にカマキリが居た。
大きな鎌を振りあげてこちらを威嚇する風である。「蟷螂の斧」とはこんな感じか。
今年はなぜかカマキリを多く見かける。生態系の変化のひとつなのかもしれない。
- 作者: 倉本成春
- 出版社/メーカー: 文武研
- 発売日: 2004/02/01
- メディア: 単行本
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急に武道系の本が読みたくなって、密林の古書で倉本成春「格闘空手 武道に生きる」を購入。著者の半生記である。
平易な文体だったのですぐに読了できた。
常識を超えた苛酷な鍛練が書かれてあり、自身の軟弱を恥じざるを得ない。
何かに一筋に生きるということは愚直であり、大愚の道なのだと改めて感じた。
Youtubeに倉本氏の演武が上がっている。
遠方の方から兼務寺院の多禰寺でお祓いを依頼された。
僻地のお寺なので不思議に思ったが、以前、多禰寺を訪問されて、このお寺に惹かれたとのこと。
お逢いすると私より一回り以上若い青年だったが、短髪でどこかお坊さん風のところがあった。思わず「お坊さんですか?」と聞いてしまった。
お参りされる方と応対していると年に何人か、こうした風貌の方と出逢う。
お寺や仏像が好きとか、霊場巡りが好きという方は多いが、何かもっと別のところでお寺を求められているような方に時々出逢うのである。
高速バスと日に数本しかない地元の巡行バスを乗り継ぎ、バス亭からの山道を徒歩で来られたという。しかも本日はこのお祓いのためだけに市内に宿泊されるという。
多大な労力を払ってきて頂いたことにかなり恐縮を感じた。
不思議なことに初対面の方なのに、何か古い友人か親族に遇ったような安心感を覚えた。
弘法大師に惹かれ、真言宗に帰依されているのというので真言宗について説明したが、まるで乾いた地面にすーっと水が沁み込むようにこちらの言葉を理解される。
こんなことはあまりない経験である。
本堂で無事にお祓いを済ませたが、市内に用件があったのでホテルまで車で送った。
住職になった頃は観光でお寺を活性化したいと考えていたが、最近は、少数でも、それぞれの動機を持ってお寺に来られた方とじっくり関わりたいと思うようになった。
ここ数年、なぜかお祓いを希望される方が多い。
当方としては祈願、供養、祈祷といった依頼が多いと思っていたのだが、少し意外なことだ。
最初は趣旨に反する気がしてお祓いは断っていたのだが、最近は、事前に相手の希望を聞き、趣意が合えばお祓いも引き受けるようになった。
私自身まだまだ修行中であり、法力と呼べるほどのものも無いが、切実にお寺に何かを求めて来られる方に出逢うと襟を正ささざるを得なくなる。
道のりはまだまだ長いのである。いつか大愚と呼べるようなものを自分の中に見いだすことができるだろうか。
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