観音は京におわしますれば
本日は兼務寺院観音寺の団体参拝。
西国観音霊場巡りの4回目である。
何しろまだ私自身全ての西国観音霊場を廻ったことがなく、檀家さんのほうがが2巡目目、3巡目だったりするので大変心もとない…
最初は六波羅蜜寺。
この寺には40年以上前に母方の祖父につれられてお参りした記憶がある。
この祖父とお寺を廻ったことが私の仏教体験の始発である。
多分、5、6歳だったのではないかと思うのだが空也上人の像に強い印象を受けた記憶がある。
近年、このお寺は平家ゆかりのお寺として取り上げられることが多い。
宝物殿には多くの仏像が安置されているが、空也上人像の隣に平清盛座像がある。
これまた著名な像である。
写真で見ると黒ずんだ相貌が何とも不気味な印象を受けるが、実物を見ると、清盛の人間らしさ、敬虔さ、老齢のもつ穏やかさといったものが伝わってくる。作者不詳のようだが並々ならぬものが伝わってくる。大変素晴らしい像である。
仏像はやっぱり実物を見るべきだと実感した。
空也上人像も素晴らしく。この2像のツーショットというのはやっぱりスゴイのである。
続いて清水寺へ。
このお寺も多分40年ぶりくらいの訪問。
本堂では珍しく仏式の結婚式が挙行されていたので若いお二人の末永いお幸せを祈念した。
本日は秋晴れでまことに良いお日柄。
大変な人気スポットだが境内が広いため、どこかのんびりした空気もある。
多分、このお寺も持っているおおどかさのようなものを感じるのだろう。
昼食の後、今熊野観音寺へ。
由来を聞いて興味深々。
頭痛に悩む後白河法皇の枕許に観音様が立たれ頭痛を治癒されたというので、頭痛、、知恵授け、ボケ封じなど頭に関わる御利益があるとされる。
珍しい『枕カバーの御護り』を授与されるお寺である。
往時は枕を持参して祈願してもらったという。
何度かブログに書いたが、お寺とは参籠して夢を見、そこに霊験や霊夢、夢告を通じ神仏と繋がる場所だったのではないかと考えられる。お寺=ドリームセンターだったのではないか。
このお寺に残る枕への信仰はお寺が夢を媒介として人間と神仏がつながる場所だったことのひとつの名残ではないかと思われるのだ。
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最後は番外の元慶寺へ。
本堂の横に由緒ありげな建物があったので手を合わせて、しばらくしてから石碑が立っていることに気が付いた。
「御落飾道場」…
この場所こそ花山天皇が髪を落して出家された正にその場所だというのである…(興奮!)
藤原一門が花山天皇を出家させ、自らは天皇の外祖父として絶大な権力を掌握する…権謀術数渦巻く平安時代のひとつの象徴的事件が起きた場所なのである。
非常に面白いのが出家=政治からのコースアウトであったということ。
政争があった場合、政治に関与する権利を剥奪する手段として出家させるということが行われたらしい。
政敵の子弟を処刑する代わりに出家させて放逐するというようなことも行われた。
逆に言うと、出家することで政敵から暗殺されることもなくなり保身にもなった。
私の居るお寺を開いた真如親王も薬子の変によって廃太子となり空海のもとで出家されたとされるがその経緯もおそらくそれに近いものがあったのではないかと思うが詳細はつまびらかではない。
お土産を買える場所が無いかガイドさんに相談したら和菓子メーカーの製造所兼販売所を紹介してくれたので立ち寄った。
八っ橋で有名なメーカーだが数十種類のお菓子を試食できて参加者には大変好評。
京都市内にはバスで立ち寄れてこうした買い物ができるスポットが意外に少ないのだそうだ。
個人でも立ち寄れるのでおススメしたい。
好天に恵まれ本日の団体参拝は無事終了。
来年もまた一同揃って善きお参りができますように。合掌
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