浜辺の祈祷会 池上さんいいね!
朝から降雪。
お寺の周りでは20センチほど積もったろうか。
由緒は不明ながら恐らく数百年続いている年中行事である。
大般若経の経箱の前で祈祷し、村の子供二人が裃を付けて経本の入った小型の経箱を持って村の家を一軒づつまわる。祈祷では参加者も一緒に般若心経を唱える。
外は小雪の舞う寒さ。
子供達は裃の上からダウンジャケットなど防寒着を装着。
ちょっと不思議な外見…
祈祷の後はお寺の傍にある村の集会所で会食。
この地方独自の郷土色豊かな料理も振る舞われる愉しい時間である。
祈祷会の前に般若経について簡単に説明したのだが、「般若経」は600巻もあるといったところ…
「和尚さんは600巻全部読まれたのですか?」
…とさらっと聞かれた。
…
…
「…全然、読んでません」
としか答えようがなかった(涙)
かなりイタところを突かれました(苦笑)
大乗仏教ではお経に力があることが強く説かれた。
お経を読むことはもとより、写経しても、お経の題目(題名)を唱えるだけでも、或いは経本そのものを持つことも特別な力を授かるとされた。
この時期行われる大般若と呼ばれる行事や、当地で行われたような祈祷会もこうした大乗仏教の思想を反映したものだろう。
法務を行っているとお経の力というものを実感することが度々あるが、お経の持っている力はそこに捧げられる祈りの相乗によって発揮されると思うので、この海辺のお寺で人々が長いを込めた祈りを捧げてきたことは大変に深い意味があると思う。
お経というのは一読して意味が分からないので、最初に簡単でもその由来や意味を説明することにしている。それによって気持ちの入り方が違う気がするのである。
そして私もお経の力は引き出せるような祈祷がしたいものだと思う。
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: 飛鳥新社
- 発売日: 2012/07/19
- メディア: 単行本
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帰宅後、密林の古書から届いた池上彰「池上彰と考える、仏教って何ですか?」(飛鳥新社)を読む。
大変面白く、分かりやすい本で小一時間ほどで読了。
この本は先輩のお坊さんから勧められたのだが、仏教の歴史、考え方、現代日本との関わりなどが実に実に簡潔、平明に書かれているではないか!
これはできそうでなかなかできないことである。
仏教に関心のある全ての方にお勧めしたい本である。
明日からはこの池上さんの本をネタにして少し書いてみたい。
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