あちらの趣味の方 不老不死の薬

舞鶴市から交通・災害・防犯関連の情報が携帯のメールに届く。



携帯が普及しているので良いサービスだと思うが、最近多いのは不審者に関するもの。



ここ数回、いわゆる「露出趣味の方」の出没が配信された。




子供が遊んでいて咳払いが聞こえたのでそちらを見ると、“そういう人”が立っていたので悲鳴を上げて逃げた…みたいなことが書いてあった。




露出したいという欲求は私にはさっぱり理解不能であるが、子供に不安や心配のない世の中になってほしいと思う。



それにしても露出したという願望が良く分からない。



自分が見られるのが良いのか、それとも相手が驚くことが快感なのか…



どうも春になるとおかしな人が出てくる傾向がある。



多分、ホルモンバランスが変るのではないかと思う。



もっとも冬は寒くて露出しにくいのかもしれないが…








只今、蔵書を大処分中。



久しぶりに手に取る本に思わず読みいってしまったりしてラチがあかない…




大学生の頃買った中野美代子西遊記の秘密 タオと煉丹術のシンボリズム」(福武書店)を発見。



2つの章がこのところ興味津々の丹や水銀に関する章である。



後記が回文の狂歌!で書いてあるというなかなか凝った本である。




いつもながらの講釈で恐縮だが、丹はもともと水銀と硫黄の天然化合物を指す言葉である。



この物質が鮮やかな赤色をしていた為に「丹」は赤いという意味を持つようになった。





中国の覇者は権力と富を手にすると、不老不死の肉体を求めようとした。




その代表的な方法が仙道の不老不死の薬を手に入れることである。


抱朴子/列仙伝/神仙伝/山海経 (中国の古典シリーズ 4)

抱朴子/列仙伝/神仙伝/山海経 (中国の古典シリーズ 4)



仙道の最高峰のテキストのひとつである「抱朴子」には仙薬として最上のものが丹、次が金と銀であるとしている。




今日でも金と銀は貴金属であるが、かっては丹(=硫化水銀)という物質が金や銀以上に貴重であったというのである。このことはある意味で驚くべきことではないだろうか



古来、日本でも丹が採掘されていたと考えられる。





邪馬台国に丹を産すると「魏志倭人伝」にあることから、やはり丹の存在が重視されていたことが分かる。日本の丹は中国にも輸出された痕跡がある。



(少し気になっているのは古代に神が“丹塗りの矢”に化身して人間の女性と結ばれるという記述である。丹と神の関係は謎である。)



権力者は丹や金でできた仙薬を服用した不老長生を願った。



だが結果としてその薬害によって皇帝を始め多くの権力者が死亡、発狂、発病したのは皮肉なことである。





この仙薬は日本にも伝来し、日本の天皇や貴族にも同様の被害をもたらしたと考えられる。



藤原道長な糖尿病で亡くなったとされるが、私はどうもこの仙薬を飲んだのではないか…と考えている。)



丹で精製された仙薬とは全くの幻だったのか…


不老不死とは絵空事にしか過ぎなかったのか…




1927年に中国の湖南省長沙市前漢時代の長沙地方を治めた国王の妻の棺が発掘された。




信じがたいことに2100年という長い年月を経ながらもその遺体はみずみずしく、肌や筋肉には弾力があり生前に近いものだったという。




研究の結果、この女性は生前から丹でできた仙薬を服用していたことが判明している。
また棺にも丹による防腐処理がされていた。
(実はこの長沙というのは丹の産地なのである。丹の別名が「辰沙」であるように「沙」とは丹のことなのである)




埋葬された女性の副葬品の白布には不老不死に関わる伝説が描かれていた。




不死の薬を盗んだ女性が月に逃げたという伝説である。




月と不老不死は結びついているというのは実に興味深い。


竹取物語

竹取物語



日本最古の物語は「竹取物語」であるとされる。



月に去るかぐや姫は求愛した帝に不死の薬を残して月へと還っていくのである。



つまり日本最古の物語である「竹取物語」には月と不老不死という重要なキーワードが出てくるのである。



日本では月で兔が臼と杵で餅を搗いていると考えられたが、中国では兔が臼と杵で不老不死の薬を搗いているということになっているらしい。




月が満ち欠けを繰り返すことから不死と再生の力を月に観じたのだという。




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