法事の余韻 幻の銀座煉瓦街 「アメリカが劣化した本当の理由」
昨日は若くして亡くなった祖父の50年忌の法事が行われた。
併せて祖母の年忌供養と年忌にあたる歴代住職の供養も行われた。
高齢の老僧にとっては最後の大きな法事になる。感無量の様子だった。
法事の後は福井の国民宿舎で会食し宿泊。
町営の宿舎は「昭和の香り」のというと聞こえはいいが、かなり老朽化していた(電話がダイヤル式とか)サービスも…
本日の午前中は遠方から来てくれた親戚を舞鶴観光に案内。
お約束で「松尾寺→赤レンガ博物館→五老スカイタワー」
親戚を駅まで送って1日半にわたる法事を無事終了することができた。
今回の法事は老僧にとっての大切な行事だったが、
大勢の親族や家族のつながりを確認できて私も心に響くものがあった。
亡くなった祖父が舞鶴に来て、そこからわが家の歴史が紡がれ、そしてお寺に関わるという仏縁ができ今日に至っている。
人のつながりの深さを改めて感じた。
宿舎の前はすぐ前が遠浅の海になっていて家族連れには絶好のロケーションである。
朝食の後、娘は砂浜で貝殻集めに精を出していた。
久しぶりに出かけた赤れんが博物館で興味深い展示があった。
明治時代の集治監という施設である。
現在の刑務所にあたるが強制労働が厳しく亡くなった囚人も多かったという。
明治政府は不平士族の反乱対策で経費がかさみ、資源採掘や都市整備の一環として、収監した士族を安価な労働力として利用したという。強制労働はいわば「見せしめ」の意味も含んでいたらしい。
小菅の集治監では施設の中に煉瓦製造の設備があって銀座の煉瓦建築のための煉瓦作りが行われたという。
そのことについて少し調べたら面白い記事が見つかった。
明治5年に都心で銀座大火とよばれる大火災があり、丸の内、築地、銀座一帯が焼失したという。
都心中枢の大火災である。
この大火災が都市の耐火構造普及をすすめるきっかけになったという。
銀座は耐火性のある欧風の街路にすることが行われ、銀座煉瓦街と呼ばれる煉瓦造りの欧風の街路が建築された。
ロンドンのリージェント・ストリートをモデルにした街路はさぞかし瀟洒で美しかっただろう。
残念ながらこの煉瓦街は関東大震災で完全に消滅してしまう。
明治政府が不平士族を収監し、近代化に向けての労働力としたというのは間違いなく明治時代の影の部分だろう。
- 作者: コリン・P.A.ジョーンズ,Colin P.A. Jones
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/12/01
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先日、アメリカの弁護士コリン・P・ジョーンズ氏の書かれた「アメリカが劣化した本当の理由」を読んだ。
アメリカでは刑の重罰化が進んでいて、最低賃金の1割未満の時給で働かされることも多くなり、刑務所が私企業に運営される(『プライベート・プリズン』)ことも増加していることから、犯罪者、特に黒人が搾取されることも多いという。
これはかってアメリカの奴隷制度と同じではないかというのが著者の問題提起である。
政治には常に光と影に部分がある、どちらかだけを見てはかならず過ちを犯す。
歴史を観るというのは面白くも難しい。
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