耳を澄ませば 空の話
玄関の受付に座っていると、換気扇の回るような低い音が断続的に聞こえる。
スズメバチの羽音である。
玄関の天井裏にスズメバチが巣を作っていて、その巣が日増しに大きくなっているようで羽音がかなりはっきり聞こえるのである。
今年は蜂が多いのかもしれないと思う。
梅干の土用干し用に戸板を置く梯子を使おうとしたら、上のほうにでっかいスズメバチの巣ができていた。
数日前も朝、顔を洗って台所に行こうと数歩歩き出したら、大人一人通れるかどうかという狭い廊下の向こうからスズメバチがまっすぐ顔に向けて飛んできた。
室内なんですけどね…
近年の猛暑でとうとう台所にクーラーを設置することにした。
夕方、工事担当の電気屋さんの若い衆が配線の為に天井裏に上がったら
「でっかいスズメバチの巣がありますッ!」
と相棒に叫んでいた。
スズメバチの巣のある玄関側の屋根裏と工事箇所はかなり離れているので問題なかったが、ちょっと申し訳ないことをした。
- 作者: 梶山雄一
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1992/04
- メディア: 単行本
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全然話は変わるが、数回に分けて<空>の話について書きたいと思う。
自分自身の整理の為でもあるので少しお付き合い頂きたい。
インドでは数多くの仏教の宗派が生まれた。
宗派というと宗教儀礼や信仰に関わる印象があるが
古くは“学派”としての性格が強かった。
仏教といっても信仰というより学問的な印象を受ける。
小乗仏教では
『説一切有部』
『軽量部』
この4つがインド仏教の四大学派である。
宗派の対応については以下のようになる。
『説一切有部』 →中国・日本の毘曇宗・倶舎宗
『軽量部』 →中国・日本の該当する宗派無し
『中観派』 →三論宗・史論宗
『瑜伽行唯識派』→法相宗
このなかでも龍樹に代表される中観派は空の哲学を説き
他の学派の所説を否定打破していった。
説一切有部はその名前のまんま“一切が有ると説く”学派だった。
中観派は当時非常に有力だったこの学派のを強く否定した
「般若心経」でやたらと
〜は無い〜も無い〜は無い…
と延々と続くのは
説一切有部の“有る”ということへのアンチテーゼとして空が提示されたことと無縁ではないと思われる。
(明日以降に続きます)
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