愛しの座敷わらし - 山寺のんびり日記

最近、ハズれの映画に当たり続け意気消沈していたのですが、

久々に良いと思ったのが「ＨＯＭＥ　愛しの座敷わらし」。

左遷人事により東北の支社に転勤した主人公が

岩手の古民家に家族と引っ越し、その古民家に住む座敷わらしの交流を描くファンタジーである。

「となりのトトロ」を彷彿とさせるストーリーですし（笑）

盛岡出身の友人に言わせるとかなり無理無理な描写もあるようですが、そこはしっかり眼をつぶりましょう。

不器用な父親、しっかり者の母親、イジメに逢う子供…

ものすごくありふれたストーリーとしか思えなかったのです。

ですが…

何より俳優さんが皆素晴らしい。家族5人の性格や言動を見事に描出しています。

もし技量の低い俳優さんが演じていればこの作品は本当に陳腐なもので終っていたでしょう。

端役にも印象に残る良い俳優さんを惜しげもなく使っています。

そして織り込まれる盛岡の田園風景の圧倒的な美しさと存在感。

引越し先の古民家の佇まい。

自然や風土を描くことでＣＧのような技術に頼ることなく、座敷わらしというこの世ならぬ物の存在を否応なく認めさせています。

人は自然に触れることで、素朴に、眼に見えない世界を直覚する感性をはぐくむことができるのではないでしょうか。

そして幸せになるということはまず家族がお互いへの愛情や信頼を持つことだとこの映画は教えてくれます。

既にテレビで放映されているそうですが、機会があれば視聴されることをお勧めします。

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