妖怪といっしょ 贅沢な怪談集
昨晩も布団に入った娘がなかなか寝ない。
布団に入ってから1時間以上も経過してからようやく眠りに落ちる。
最期は消え入るような声で
「…海坊主…ずんべらぼう…うまつき…狐火…」
出た!妖怪しりとり…
妖怪でりとりしながら眠りに落ちる娘はどんな大人になるのだろうか。
夕飯にエリンギのソテーを妻が作ってくれた。
何気なく
「エリンギ食べて縁切!」
と言ってみたら
背後から
「だ〜れ〜と〜」
と怖い声が(「見〜た〜な〜」くらいのノリで…)
嗚呼、怖かった…妖怪より怖いかも。
先月号の「寺門興隆」に、漱石の「あるほどの菊投げ入れよ棺の中」という句が紹介されてあった。
棺に花を入れる風習はいつごろからはじまったのだろうかと疑問に思っていたが、明治には始まっていた風習らしい。
棺に樒やおがくずを入れたこともあったそうだが、棺には花が相応しい気がする
故人を送ることのひとつの意味は荘厳(しょうごん)であると思う。
仏教要語のとしての「荘厳」とは厳かに飾るということである。
花を見て怒る人はいない。
一輪に花ですら人の心を和ませる力をもつ。
そのことはもしかしたらもっと驚いていいことかもしれない
今年送った大勢の方々皆、花で埋められた棺の中におらえた
花というのは仏に近い存在なのだろうか。
- 作者: 東雅夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
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娘の影響か、ふと怪談が読みたくなった。
密林の古書で「百物語怪談会」(ちくま文庫)を購入。
明治というのは大変面白い時代で開明的、文明的なものが盛行する反面、合理性を超えたものへの嗜好も横溢していた。
名だたる文人墨客を集めた怪談の会が幾度も催されていた。本書はその記録である。
泉鏡花、柳田國男、小山内薫ら当時の文人10名あまりの語る怪異談である。
こうした空気のなかで例えば柳田國男の「遠野物語」などが生まれたことは記憶しておいてよいだろう。
現代の怪異談と驚くほど類似しているものもあれば、やはり明治の気風のようなものを感じさせるものもあって興味が尽きない。
月岡芳年が幽霊を写生する話など実に贅沢きわまりない気がする。
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