お彼岸 夜行列車 「家族のための介護入門」

本日は彼岸の入り。


朝、洗面台の前に立ったら浴室の窓から風が吹いてくるのを感じた。



春の匂いとでもいいたいような柔らかな空気が心地よかった。




彼岸参りを何軒か行ってから、松尾寺にの彼岸法要に出仕。



暑さ寒さも彼岸までと言うが、松尾寺のある青葉山は標高が高いのでまだひんやりと肌寒い。本堂の周りにはどっさり雪が残っていた。



彼岸参りはお盆の棚経と違って時間の余裕があるので、お参り先の檀家さんと少しお話した。


年配の檀家さんから昔の話を聞くのは楽しいものである。



檀家さんが若い頃、夜行列車にのってまどろんでいると、ふと酸っぱい匂いがして眼が覚めた。


前の座席に親子連れが乗っていたのだが、2人でご飯を食べている。よく見るとよほど古いご飯らしく糸を引いていた。親子は飯場に移動する途中だったらしい。



もったいないとしたり顔で言う人がいるが、本当に物のない時代に育った方々の感覚は多分、分からないのだろうと思う。そういう意味では私もまた食べ物のありがたさ、物の有り難さは分からないのかもしれない。



昨年から年配の方のお葬式を何回かさせて頂いた。
ご家族の方から生い立ちや経歴を聞くとさぞ苦労されただろう…と思うことが多い。


今日の日本の繁栄の礎を築いたのは、真面目に黙々と働き、不自由に耐え忍んできた世代の努力あってのことだと思う。そして自分がどれだけ苦労したかということも語ること少なく1人1人と亡くなっていかれる。


こうした世代の方からもっと話を聞くべきだと思うことが時々ある。
其の中にきっと私達の生き方を見つめなおすヒントがあると思うのだ。



家族のための介護入門 (PHP新書)

家族のための介護入門 (PHP新書)


岡田慎一郎さんという方の活動に関心があって「家族のための介護入門」という本を購入した。


DVD付きの本が沢山出版されているのだが、少し節約してとりあえず密林の古書で購入。251円なり。



岡田氏は理学療法士介護福祉士の仕事に携わるなかで、武術家の甲野善紀氏の身体操法に影響を受けて、介護する方の負担を減らす古武術介護をテーマに研究、実践に尽力されておられる。


本書の5章までは具体的な介護のアドバイスや制度の利用法などで、第6章は古武術介護の具体的な解説にあてられている。非常に興味深い内容である。人口の高齢化と共にこうした技術が必要とされる一方、古武術という伝統的な身体操法が再認識されているというのも大変に意義が深いと思う。



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