95歳 明治は遠く
数日前に法事に行ったら参列者の最高齢が95歳のおじいちゃんだった。
小柄ながら実にしっかりおられて、肌のつやなど私より綺麗なくらいで本当にびっくりした。
法事の参列者も大半が私より年長である。さすがに90台というのは少ないが。
読経の前に何か話しをしようと思って、自分より遥かに長い人生経験をもった方たちに何を話したらよいか…と躊躇してしまうことがある。
地元の仏教会も世代交代が進んで若い住職も増えた。
ただ年配の老僧と呼ばれるような方の風格には到底太刀打ちできないと感じることがある。
年齢の重みというのだろうか、人生の年輪には理屈を越えて人を納得させるものがあるのだろう。
- 作者: 渡部昇一
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2011/06/03
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渡部昇一「読む年表 日本の歴史」という本を友人が貸してくれて時々読んでいる。
数ページを1項目として古代から戦後までの日本の歴史の主要な事件が取り上げられている。
特に近現代史はかなり読み応えがある。
著者によれば幕府や明治政府は大勢の留学生を海外に派遣したがこれは特筆すべき制度だという。
19世紀末の段階で国策として留学制度を整備した国は白人国家以外では日本だけであったという。
1896年(明治29)に発足したノーベル賞の第1回医学賞に選ばれたのはドイツのベーリングだが、最終候補には結核菌やコレラ菌を発見したコッホと並んで日本の北里柴三郎の名前が挙げられたという。
北里柴三郎以外にも同じくノーベル賞に2回推薦された野口英世、史上初めてビタミンを発見した鈴木梅太郎、赤痢菌を発見した志賀潔などノーベル賞の最終候補に挙げられるような科学者が明治維新から僅か30年に満たないで続々と現れたことは驚くべきことではないだろうか。
留学といっても今日に比べて遥かに困難の多かった時代に、異国に留学し偉大な業績を残した日本人のことを思うと、現代の日本人がひとまわり小さく見えてくることあある。
論文のコピペが盛んに問題になっているが、明治人の学問に対するモチベーションや志は現代とは次元が違うくらいの差があるのである。
昔の人は偉かった…そんな謙虚な思いも時には必要ではないだろうか。
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