彼岸にて 甘酒スベスベ 「感じる力」
20日の彼岸の入りから明日の中日まで松尾寺の彼岸法要出仕が続く。
毎年のことだが、彼岸花が競うように野辺に咲き乱れている。
名前のとおりまるで彼岸を待っていたかのようである。
自然の精妙さを感じずにはいられない。
田んぼの収穫も終りつつあるが作柄はやや不良との声が多い。
季節も動から静へ移行しているようである。
夜鳴く虫の声も盛夏の頃とは違って、心に深々と染み入るように感じる。
時に物悲しく、胸を締め付けられることもあれば、その静謐で穏やかな空気の流れや時間のたたずまいがたまらなく心地良く感じられることもある。
- 出版社/メーカー: 伊勢惣
- メディア: 食品&飲料
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自分の手に触れてみてスベスベしているな…と考えてみると、数日前から自家製の甘酒を作って飲んでいることに気がついた。
炊いたご飯に市販の麹を混ぜ、炊飯器で8時間ほど保温するだけの簡単なもので、あまり甘みが強くない。
毎日少しづつ摂っているのだが、飲み始めてすぐに肌が変化するのは面白い。麹から作った甘酒というのはビタミンが全種類含まれているとされ、他にも有効成分が多い。
世の女性達はコラーゲンだとかアミノ酸だとかいう高価な化粧品を使っておられるが、自家製の甘酒の良さを教えてあげたいものである。
- 作者: 田中嫺玉
- 出版社/メーカー: ブイツーソリューション
- 発売日: 2009/11/12
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自分の中でちょっとしたインドブームである。
20年ほど前に精神世界に関心を持ち始めた頃、インドというと空中から物体を取り出す神の化身だとかいうような信じがたい人物がもてはやされていて、気持ちが引いていた。
それが先日、ラーマクリシュナの自伝を読んで眼からウロコが落ちた気がした。
やはりインドはお釈迦様の故郷であり(厳密にはお生まれになったのはネパールだが)、その精神的土壌の深さには端倪すべきものがあると改めて感じたのである。
ラマナ・マハルシ、パラマハンサ・ヨガナンダ、ギァナアヴァター・スワミ・スリ・ユクテスワ・ギリ…そういった精神世界の探求者達の言行を読んでいると日常とは余りに相容れない部分も感じるが、やはり自分の求めているのが広い意味ので精神の探求なのだと納得することも多い。
Youtubeに“artmnet0”というユーザーの方がおられて、いろんなテキストの朗読や演奏をアップされている。
ラマナ・マハルシの言行を朗読したものがアップされていて、1本当りの時間は僅か数分だが、それが100本以上もある。「全部再生」にシャッフルをかけて座を組みながら聴いているとなんともいえず引き込まれていく。
もうひとつのお気に入りは“YellowBrickCinema”というユーザーの作品で、瞑想に適した音楽が多数収められている。こちらを聴きながらの瞑想も大変に心地よい。
座を組んで座るというのはいわば何もしないという、一見、消極的、静的な行為である。
しかしながら座禅瞑想を続けていると徐々にではあるが、生まれてくる心身の変化は、日常とは質の次元が異なる気がする。
座禅瞑想というのは日常的行為のバリエーションではなく、日常の質そのものを変える行為なのだと思う。
私は座禅瞑想することをあらゆる人に勧めたいと思う。
それが1日5分であったとしても、この行為が続けて行じられた時に蓄積され、生じる変化というものは人生の大きなより所になると感じている。
確かラマナ・マハルシの言葉と思うが、瞑想について、「自分が瞑想していることを思い出すために瞑想するのである」という言葉があった。
パラマハンサ・ヨガナンダは「魂は瞑想が大好きなのです」と言う。
いずれもなかなか含蓄のある言葉だと思う。
- 作者: 吉田脩二
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2010/06/16
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密林のレビューが良いので吉田脩二「感じる力 瞑想で人は変れる」(PHP選書)を購入。
著者は精神科医・画家で長い診療経験があるという。
瞑想の科学的分析は興味深い。
瞑想を科学的に分析する…という趣旨の論も多い。
瞑想するとセトロニンの分泌が盛んになるとか、副交感神経が優位になる、アルファ波が出るなどの特性があるようだが、但しそれをもって、悟りをセトロニンやアルファ波だけで説明するのは行き過ぎだと思う。
本書もそうした勇み足が無いわけではない。
また第9章で述べられている歴史・社会観には全く賛同できない。
国家が人々を支配し動員するために家族という幻想を作り上げた。この幻想から目覚めることで個人は解放される…というような浅薄な内容で苦笑してしまう。
ま、それはそれとして、瞑想するのは良いことである。
彼岸とは彼の岸に至ることであり、涅槃に入るという意味にもなる。
彼岸とは瞑想するに良い時節ではないだろうか。
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