稲穂の頃 怪しい電話

  




しばらく前に田舎道を走っているとめずらしく“稲木”(いなき)を見かけた。




当節、刈り取った稲はJAのライスセンターへ運ばれて乾燥、籾摺、選別が行われる。




昔は稲木に掛けて天日で乾燥するのが当たり前の光景だった。




時々、農家の敷地に古い年季の入った古材が置いてあると稲木の残骸であることが多い。




掛けてある稲を良く視ると穂がついていない。別の用途でわらを乾燥させているようだった。




近づくと濃い藁の匂いがしてとても懐かしくなった。




子供の頃、稲刈りを手伝ったことを思いだした。



大きなアルミのやかんにお茶を入れて持ってきてみんなで飲んだな…



とか



藁くずが背中に入るとチクチクして閉口したな…



とかいろんなことを思い出した。



嗅覚というのは案外記憶に深く結びついているのかもしれない。





最近は稲刈りが少し早くなっているが昔は丁度今頃、10月初旬だったはずである。





子供の頃に見た秋の穏やかな日差しがまだ記憶のなかに残っている。








台風一過である。




当地は大きな被害がなくて一安心である。








兼務寺院に行くと山道に茶色のものが沢山落ちているのでギョッとなったが、枯れた杉葉が大量に落ちていたものだった。(ちなみに乾燥した杉葉は良く燃えるのでスターターとして最高である。)










兼務寺院の寺務所は寒かった。



丁度絶食日で、絶食すると体温が下がるので余計に寒く感じたのだろう。



真冬用のフリースを着こんでいたのだがそれでも寒かったので押入れから毛布をだしてかぶった。



流石に参拝者もなかったが電話がかかってきた。


「そちらは……様ですね」


「ハイ」


「都内から全国に2000部ほど有価証券のカタログを無作為に発送されたそうなのですがそちらに届いていおりませんでしょうか?当方で探しているのですが…」


「?」


「もし届いておりましたらお取り置き、ご協力お願いいたします」




そこで電話は切れたのだが、しばらくして…



これってもしや…



もしや…




「振り込めサギ」の『前フリ』の部分では…


と気がついた。




後日「カタログ」が届く

→届け先の名義人しか商品を購入できないので名義を貸してほしい…



みたいな展開か…



ちょっと面白くなってきました(笑)



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