冬の足跡 漫才「行く道に花の咲かない道はなく」

 




寒い日が続いています。



お寺の庫裏は結構な広さがありますから部屋を出て移動する時は冷たい空気の中を泳いでいるようです…



庫裏のすぐ横に川があり、護岸工事する以前の水脈がこの庫裏の真下にあるらしく湿度を伴った冷えというのは本当にずっしりきます。







昨日の雨でだいぶ雪が解けましたが、市街にくらべるとまだまだ雪が残っています。



昨夕、車で山門から入ろうとすると慌てて大きな鹿が2頭走り去っていきました。
最近は鹿との遭遇率が高いです。




数日前に勝手口から庫裏の裏手に出ると雪の上に随分と動物の足跡がありました。





【よくみかけるつがいの鹿?】


【イノシシでしょうか】


【間違いなくサルです】





雪の中でも元気なのは娘だけです…
数日前にはカマクラ作りに夢中でした。














お正月の“読み初め”用の本を物色中。




本日密林の古書から届いたのは伊藤潤「城を攻める 城を守る」(講談社現代新書)。



文芸春秋」でお城に関する対談をされていてその“お城フリーク”ぶりが素晴らしかったので購入しました。





相変わらず仕事の合間にYoutubeでフラフラと動画を観ていますが、最近特に感心したのが“流れ星”の漫才。



実に面白いです!



皆さんお忙しいでしょうが時々はお笑いで息抜きをされましょう!



私はどちらかというとYoutubeを観る合間に仕事してる気がしますが…









行く道に花の咲かない道はなく

行く道に花の咲かない道はなく



本日、密林から届いたのは俳画集「行く道に花の咲かない道はなく」(桜の花出版)。




考えてみると俳句や短歌という言語量の少ない文学があったことで日本人の言語感覚は研ぎ澄まされたのかもしれない。




もうひとつ素晴らしいことはこうした簡潔な文学の様式によって誰でも手軽に文学に親しめるようになったことである。それらによって日本人の知性や芸術的感性は大いに底上げされたのではないだろうか。




作者は地方の一主婦である。




最愛のご子息を交通事故により19歳という若さで亡くされ、更に病のため御主人をも失くされた。それは想像するに大変な喪失感だったのではないだろうか。ご子息のために捧げられる花を供え、花に囲まれるうちに花の絵ばかり描かれるようになったという。作者の書かれる俳画は素朴で味わいがある。



俳句もまた花を題材にしたものが多い。



言葉は簡素で、自然の情景を素直に詠んだものが多いがそれでいて笑みの浮かぶような柔和な句もあれば、心に染みるような自然や人生への観照を感じさせる句もある。



凡庸に流れた作品がないわけでないが、どの俳句にもひたむきで切実な何かが流れている気がする。



筆者の手による画と句とを合わせて鑑賞することで実に実に味わい深い趣が表れてくる。そして作者の深い人生経験に思いを馳せ、絵と句の上に重ねてみるとさらに別の奥行きが生まれる。



今年も沢山の本に出会ったが、本年で一番の深い感銘を受けた作品である。
年の瀬の素晴らしい出会いに深謝九拝。



秘しものを残らず出して 紅葉散る



終りとも始めとも見ゆ 枯葉かな


    ブログランキ

ング・にほんブログ村へ
にほんブログ村←いつもご訪問ありがとうございます!
丹後の山寺の住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)






.