山寺の正月 紅白の時間 「城を攻める 城を守る」




年頭にあたり皆様の御健勝を祈念もうしあげます。合掌

               ぶろぐ坊 九拝






元日は降雪少々。




国旗を掲揚するのを忘れていたのであわてて国旗を取り出した。















昼からは兼務寺院の年頭の祈念と護持総会。




くもりで時々晴間も除いたが、総会が終わった頃から雪が降り始め、時々吹雪といえるほど強い雪風に見舞われた。





【昼頃は晴間も見えて舞鶴湾も美しかったが午後から荒天に。】




晦日はバタバタしているのと年越しのお勤めがある関係で「紅白」を録画しておいて少しづつ観ている。





4時間半は少し長すぎる気がする…長いがためにいろんな“仕掛け”が必要になり
歌を堪能することからますます遠ざかっているのが残念である。





歌詞が字幕で出るので歌詞を眼で追いながら歌を聞くと同じ歌がまったく違った印象になる。




五木ひろしの「よこはま・たそがれ」。



サビの「あの人はいっていってしまった〜」というフレーズの分かりやすさと演歌のメロディーに騙されている気がした。




前段の歌詞は助詞無しで単語を3つ重ねる表現が俳句のような効果を生んでいるように思う。








歌詞の言葉の鋭さに少しドキリとした。


















討つものも討たれる者も土器(かわらけよ)よ 
 くだけて後はもとの土くれ  三浦義同




年頭の読み始めの一冊に選んだのが伊藤潤「城を攻める 城を守る」(講談社現代新書)。





新書というと手軽な入門書というイメージが強いが、著者は正真正銘の城フリーク。




「小説家の書いたお城の本」と思って少々の史料から空想を膨らませて書いたような城郭の入門と思って読むと嬉しい逆撃に遭う。



本書は「実際の戦闘のなかで城がどのような役割を果たしたか」ということに主眼を置いて解説されている。



お城ブームのなかで天守閣を持った城が名城として華々しく取り上げられることに異を唱え、城という軍事拠点の成立と帰趨を現実的な視点から探っている。



本書はKKベストセラーズの「歴史人」に連載されていた記事に加筆したものである。



本書には30近い城とその攻防戦が取り上げられていて、ひとつの城についての記述は10ページほどである。だが、攻城の前史や背景、戦局の推移、武器、戦術、戦闘の帰趨、指揮官の資質、そこから得られる教訓や著者独自の仮説なだが縦横に纏め上げられている。




参考文献が膨大すぎて書き出せないというほどの数多の史料を読み込み周到な現地調査を行っていて実に読み応えがある。





史料をまとめたというより集積された膨大な情報を削りに削ってようやく抽出したという密度の濃さが行間から伝わってくる。





図版はやや少なめで私のような入門者には少々不便である。





「屈曲スロープ型枡形虎口」「独立橋頭堡方馬出」…とかいわれても具体的イメージが湧く人はよほどのお城好きにちがいない(笑)。




本書にもし学研の「戦国の堅城」のようなカラーの俯瞰図が添えられていればどれほど楽しい読書だっただろうかと思う。それでも本書は歴史を体感できる一級の読書の愉しみを与えてくれることは間違いない。





戦国の堅城―築城から読み解く戦略と戦術 (歴史群像シリーズ)

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