余寒 マンガ説法 路線バス
午前曇り。夕刻より雨。
余寒というのは立春後の寒さらしいが、この時期の寒さを形容するにはぴったりである。
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本日届いた「月刊 住職」を読んでいたら「マンガ説法」というコラムがあった。
随分前からあるコラムらしいが全然読んだ記憶がない。
タイトルは「蜘蛛の糸」。
いわずと知れた芥川龍之介の小説である。
それを登っていたカンダタは後からついてくる他の亡者を制しようとしたとたんに蜘蛛の糸が切れてしまう。
恐らくカンダタはなぜ蜘蛛の糸が切れたかわからなかったにちがいない。
お釈迦様に尋ねたらこういわれるかも。
「詳しくはウェブ(蜘蛛の巣)でね!」
…なかなか面白いぞ!
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「マンガ説法」の上の欄にのっていたのが
浄土真宗に帰依しておられるらしい方が書かれた「ありのままの自分」というコラム。
「アナと雪の女王」の「ありのままの自分になる〜」という主題歌「レット・イット・ゴー」について書かれている。
キリスト教の「アーメン」はヘブライ語で「かくあれかし」「あるべきようにあれ」という意味になるという。親鸞聖人は「自然法爾」(じねんほうに)と説かれたことを「レット・イット・ゴー」を結びつけられているのだが…
これらは宗教的には「おまかせ」「全託」といえるが「レット・イット・ゴー」を歌う主人公には少し当てはまらないのではないかと思う。
「アナ雪」では主人公が女王としての勤めを果たさずに自由であることを謳歌するのが「ありのまま」という気がして。私は主人公がこの歌を歌う場面には違和感を覚えるのである。
自分で最大限の努力をしてなおかつおまかせするというのが正しいと私は思っている。
アラブ世界では遅刻しても、不手際があっても「インシャラー(神のおぼしめし)」といって済まされてしまうことがよくあるという。
これなどあまり正しい使い方ではないように思うのだが。
一生懸命努力することはやはり素晴らしいと思う。
本日の産経紙の投稿欄にこんな記事が載っていた。
私の通う大学の入学試験が先日終った。私は入試監督を務め、毎朝受験生たちと最寄りの駅から大学までの路線バスに乗り合わせていた。
車内の空気は試験前の独特の緊張感が漂い、やや重苦しい雰囲気があった。ほとんどの受験生が第1志望にしているだろうから無理もない。そんなバスが終点の大学に着いたとき、予期せぬことが起こった。
男性の運転手がマイクで「受験生の皆さん、試験頑張ってください。いってらっしゃい」と何とも優しく穏やかな口調でエールを送ったのだ。
思いがけない激励に、受験生からも「わぁー」という声が聞かれ、車内の空気が一変した。さりげない一言であるが、これから入試という壁に立ち向かう不安な受験生にとって大きな励ましになったに違いない。
心温まる運転手の心に触れ、人を思いやる言葉のすばらしさを感じた。
作者は都内の大学院生の方でタイトルは「心温まる運転手の“激励”」。
余寒の時期に温かくなる心地のする文章でうれしくなった。
まだまだ寒いですが受験生の方や受験生を持つ父兄の皆様はご自愛ください。合掌
かんばしく紅茶のたぎる餘寒かな 草城
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