春の色「密教の仏像入門」 教会税 無尽の縁


本日は法事2件。




家でのお勤めの後、お墓に向かって歩いていると風が冷たかった。




一軒のお宅の庭にクロッカスが沢山咲いていた。




黄色い原色の絵の具を搾り出したような鮮やかな色だった。




草丈は10センチにも満たないのだが、その色を見ていると春の生命がみなぎっているようだった。









密教の仏像入門」という本を贈本していただいた。





当山の金剛力士像や深沙大将の写真を提供したのがご縁である。





一応、真言宗の寺の住職なので、ここに載っていることは6割くらいは知っているかな…と思ったら初見の知識が一杯載っていたので焦った(苦笑)






仏教の世界は本当に広く、一生を以って研鑽してもその僅かしか知ることができないのだろう。




ちなみに本書は密林で仏教美術のカテゴリー1位になっている。売れ行き好調のようである。





真言宗明王では不動明王が代表格だが、最初に登場した明王孔雀明王だった…
とか



トイレに祀られることの多い烏枢沙摩明王の「烏枢沙摩」とは火炎が燃えるときの擬態語が起源らしい…とか




降三世明王の「三世」とはシヴァ神のことで「シヴァ神を降伏する」という意味だとか…とか




そんなことに関心のある方はご一読を。










ドイツ在住の日本人の書かれた本を読んでいたら、ドイツには教会税なる税金があり、所得の9パーセントを納めていると書かれてあった。本当だろうか…日本のお寺の斎米どころの話ではない。念の為、教会税という言葉をネットで検索したらドイツで納付される教会税は5200億円とあった…すごい金額である。






何年か前に「葬式は、いらない」という本が良く売れて、かなり×な内容だった。日本仏教の葬儀は金がかかる、キリスト教の葬儀はずっと安い…みたいなことが延々と書いてあったが、著者は教会税のことはご存知ないのだろう。それにしても高額な税率で驚くばかりである。




葬式は、要らない (幻冬舎新書)

葬式は、要らない (幻冬舎新書)




しばらく前に見知らぬ方から御実家の先祖供養の依頼を受け、お逢いして打ち合わせをした。感じの良い方で楽しくお話をしたのだが、翌日、この方からお電話があったのでてっきり昨日のお礼か御供養の話だろうと思ったら違った。




「もしかして○○さんをご存知ですか?」…




○○さんというのは私の古い知人であり、お世話になった方で何年か前に物故されていた。





この方は晩年、重い病気に罹られた。私は折にふれてお宅にお邪魔していろんなお話をした。いろんな意味でも思い出の深い方だった。




昨日、御供養の依頼の来られた方は亡くなった方の親友なのだという。




そしてこの方も私と同じように足繁く、亡くなった友人の許を訪れて慰問されていたのだという。




私が訪れたときに、「さっきまで友人がいた」と言われたことがあった。この方も同じように自分のすぐ前に和尚さんが来られた…と度々聞かれていたという。




2人とも顔を合さないまま同じ方の許を頻繁に訪れていたのだった。




数あるお寺の中からたまたま私のお寺を選ばれたの偶然だろうか。どうしてもそうは思えなかった。そして私もその方も今回の御供養は亡くなった方のお引き合わせだという気持ちが確信のように湧いてきた。




人間というのは縁という不思議なつながりの中で生きているし、生かされている…そんなことを改めて感じた出来事だった。




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