春の中日 朝ドラ ビジネスホテル 「霊媒師」

境内の地面にもいつの間にか青々した苔が繁茂し始めているが間もなくイノシシにひっくり返されることになるのが残念である。娘は土筆やイニニフグリその他の名も知らぬ草花を次々に摘んでくる。




本日は彼岸の中日。



本日で彼岸の入りから続いた松尾寺の彼岸法要への出仕も終りである。




法要に出仕された他の御住職方とお話していたら動物の被害に話題が及んだ。



私がサルは栗のイガを素手でむいて食べるらしいといったら、他の和尚さんがサルの中にはお尻で栗のイガをつぶして中身を食べるのがいると言われたので想像すると笑いがこみあげてきた。本当の話だろうか?





彼岸法要の後、法事1件。




家でのお勤めの後、田んぼの脇にある道を歩いてお墓にむかう。




小道の片側は畑になっていた。大根畑には小さな青い野花が一面に咲いていて春らしい景だった。野花は1000株はあったにちがいない。田舎の春の光景である。




田んぼの細い用水路はコンクリートではなく土を固めただけである。水がふくらみ、うねりながら流れていく。




子供の頃みた風景を思い出した。お日様を浴びて水が光っている様子は「水ぬるむ」という言葉そのものである。





悲鳴が聞えた。田んぼの中に小さなおたまじゃくしが100匹以上居たので何人かの女性がおたまじゃくしの大群に気がついて思わず叫び声を上げたらしかった。




これほど沢山のおたまじゃくしを見るのも久しぶりでちょっと嬉しくなった。私はカエルが大好きなのである。




テレビドラマは殆ど見ないが、なぜかNHKの朝ドラは見ている。



「マッサン」も来週は最終週である。



昨日と本日の回も主人公の一途さが報われるような良い話しで見ていて気持ちがよかった。



朝ドラには新旧の役者さんが顔を揃えるが、いつの間にか登場人物との距離がなくなり、まるで実在の人物のように感じることがある。特に家族を演じる役者さん達に本当の家族のような空気を感じることがあって見ていて胸が温かくなることがある。







先月、霊場会の総会に参加するために京都市内のビジネスホテルに宿泊。





ネットで見つけたホテルだが。京都駅から直近でしかも安かった。



チェックインして部屋に入ると最低限の備品しかない。(歯ブラシや剃刀すらフロントで貰う)お茶を飲もうとすると電気ポットが置いてない。




いろいろ安いホテルに泊まったが電気ポットまでないのは初めてである。




フロントで尋ねると奥から電気ポットを出してきてくれたが、ポットを抱えてエレベーターに乗るのは不思議な気分だった。




一晩を過ごした後、朝食をとるためにエレベーターに乗ったら私より一回りほど年配の男性を一緒になった。




朝食を食べるホテルのカフェに行って席に着くと、この男性が向かいに座った。




席と言っても50センチ四方くらいのテーブルに椅子がひとつあって対面は作りつけのソファになっいる。どう考えても一人席か知人同士でしか相席しないようなテーブルである。



当方はツルツルに剃髪して黒いジャケットを着ているので普通なら敬遠されるところ…



この人かなり天然か…と思ったが面白かったので黙っていた。狭いテーブルなので無言ななのも気まずいので、少し会話するうちに突然…



「母親に優しい言葉をかけてあげられなかったことが心残りです」



無理やりの相席→人生相談…いよいよ“天然さん”の雰囲気が。



それでもその気持ちがかなりダイレクトに伝わってきたので自分が住職であることを前置きしてから「亡くなった方にはこちらの会話は必ず通じますよ」と話した。




亡くなった方への思いを伺うことが多いが「もっと〜してあげたらよかった」という後悔の念を時々聞く。



だがその言葉を聞くたびにいつも思うのは、こちらの思いは必ず彼方のその人に届いているのだということである。



彼岸とは彼方ではなく実は此岸であると思う。



私たちの思いは彼の世界としっかりつながっている。
だからこそ供養することに大きな意義も生まれるのだと思う。



亡くなった方に対する後悔の思いを聞くたびにその方の心の優しさを感じ、そしてその後悔を少しでも和らげてあげたいと思う。




相席の方は「そのうち文明が発達すればあの世とこの世で会話できる機械ができるかもしれません」と言われる。



…そんな機械など必要としないくらい私たちの思いは既に向こうに通じている…と何度か説明したのだがその方には上手く伝わらなかったようだ。




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