沙羅 悲鳴 棟梁のお土産 大黒天の秘密
沙羅の花が咲き始めた。樹高が高いのでとりあえず獣害の心配はない。
バイカウツギが散り始めた.
花の付きは良いが開花期はやや短いようである。
数日前の朝方、これまで聞いたことのない動物の声が聞えた。
老僧によれば鹿が首輪をした大型犬(恐らく猟犬)に追い詰められて悲鳴を上げていたのを目撃したとのこと。
私が聞いたのは鹿の悲鳴だったのだ。鹿の鳴き声はよく聞くが普段の鳴き方とは随分違った。
そのことを近所の檀家さんに話したら、その方は鹿が川のなかを猟犬に追いかけられて逃走しているのを見たことがあるといっておられた。
境内の横にある川は護岸工事がされていて水量も少なく、川底もフラットなので、そこで鹿と猟犬が駆けてゆくのはなかなか壮観だっただろう。
山門付近はイノシシが良く出るらしく、畑の周りや門前の花壇を随分と荒らしている。
檀家さんの畑にあった作業小屋をまるごとひっくり返して中にあった種芋を全部食べてしまったとのこと。
動物というのは嗅覚が鋭く300メートルくらい離れていても食べ物のありかを感知できるらしい。なかなか手ごわい相手なのである。
ローズマリーを一枝もらって水に入れていたのだが、最初、枝の表面から数ミリほどのの繊毛のようなものが生え始め、これらが根に育つのだとばかり思っていたのだが、数日ぶりで様子をみると全く様子が変わっていた。
繊毛のような物体とは別に太い真っ白な根が何本も生え始めていたのである。何かスイッチが入ったようで神秘的な気がした。そろそろ地植えしても大丈夫だろう。
老僧と仲の良い棟梁が薪用に端材を持ってきてくれた。
最近、雑用が多くて薪作りの時間がとれないし、2代目の薪割り器も壊れて稼動していないのでおおいに助かる。
駅前のショッピングセンターでランドセルを見たら高額なので驚いた。
私が法務に使うカバンの倍以上するではないか!
…と思っていたら売り場の端に『旧モデル』というのが置いてあり、半額くらいになっていたので妻と相談のうえ購入。
さらに誕生祝の前渡しという口実までつけて…
親は老獪なのですよ。フフフ…
檀家さんの家にいったら七福神の軸がかけてあって気になっていたらたまたまパラ読みした本に七福神のことが書いてあった。
恵比寿 … 日本の漁神
弁財天 … インドのヒンドゥー教の水神
毘沙門天… ヒンドゥー教の武神もしくは財宝神
布袋 … 中国の唐時代末期に実在した人物で仏教の弥勒菩薩の化身
福禄寿 … 中国の道教の神
寿老人 … 中国の道教の仙人
大黒天 … ヒンドゥー教の破壊神シヴァ
日本、中国、インドの様々な宗教の中から集められた見事な混成チームである。
七福神は江戸時代末期に流行したとされ200年ほどの歴史しかない。
七福神のなかで最も古い大黒天は本来、破壊を司る神であるから、荒ぶる大黒天の像も日本には存在するが、袋を担ぎ、俵に乗った柔和な大黒さんが主流になっていく。
日本ではヒンドゥー教やチベット密教にみられるような生々しい破壊や殺戮の雰囲気が薄れていく。
宗教を受容する過程で刺激的な部分が薄められてマイルドになっていくというのは日本の宗教の特徴ではないかとすら思えるが、やはり日本人の温和な性格によるものなのか、それとももっと別の理由があるのかは興味あるところである。
但し、宗教が本来持っているドロドロした?部分というのはそこかしこに残っているものである。(もちろん“ドロドロ”というのは現代人の狭い見方なのだろうが)
大黒天を後ろから見ると、全体が男性器の形に見えるという。
大黒天のかぶっている頭巾が男性器の先端部分をあらわし、体が男性器本体、そして大黒天の乗っている米俵が陰嚢であるとされる。
大黒天の信仰を日本に伝えたのは天台宗の始祖である最澄という説が有力であるが、比叡山延暦寺で大黒堂で毎年、「浴餅供」という儀式が行われるそうである。
大黒天の彫像に1週間にわたり毎日、朝昼晩の3回、もち米をお粥のように煮たものものをかける。
そして大黒天の原型であるシヴァ神に対する最高の供養は石製のリンガ(シヴァ神を表わすものとされ男性器をかたどったもの)にココナッツの実を割ってその液をかけて供養するとされるがその意味は自ずとあきらかだろう。
宗教が本来持っていて、現代人には理解しがたいような部分もまた密かに、しっかりを受け継がれているのである。
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