ソワカ 般若の面

塔婆や白木の位牌など木質のものに字を書くので筆の傷みが早い。




筆先の毛が切れ始めたので新しい筆を注文した。




最近使っているのは滋賀県の攀桂堂というお店の筆。




【HP】http://umpei-fude.jp/




ネットに記載されているのは高い筆が中心だが、カタログを送ってもらうと1000円台で私にも手の届くものが沢山ある。




滋賀県の御住職に記念品で頂いたのがきっけだが筆先のしなりがまことに心地よい。生理的快感を感じるほどで気に入っている。





般若心経の真実

般若心経の真実


佐保田鶴治「般若心経の真実」を読んでいたら、佐保田氏がインドの僧院で現地の僧侶に混じってお勤めされた経験が書かれていた。



興味深いのは真言の末尾にある「ソワカ」というところで香を薫じるという一節。



何回も同じ真言を唱えてからソワカと唱えて香を火にくべるのだという。





「般若心経」について沢山の著書がある桑田二郎さんによれば「ソワカ」というのは『火の神』であるという。



護摩を焚いて火中に様々なものをくべるのも火の神によって供物などを天上に届けてもらうためである。「ソワカ」が火の神なら香を焚くのに火の神を念じるというのは理にかなっているように思う。




余談になるが鬼女の面がなぜ「般若」とよばれるかについてはいくつも説がある



○般若坊というお坊さんが面作りの名手だった


般若経を唱えると鬼が逃げたから


○『源氏物語』の葵の上が六条御息所の嫉妬心に悩まされ、その生怨霊にとりつかれた時、般若経を読んで怨霊を退治したから


○般若(智慧)は煩悩を砕破するので牙が生えている




などの説を見聞したことがある。


ところで佐保田鶴治「般若心経の真実」によれば『般若波羅蜜多』とは修行法であると同時に女神の名前であるという。


女神といっても優しげなな姿ではなくヒンドゥーのカーリー神のような恐ろしげな女神であるという。



<恐ろしげな女神>というと般若の面が恐ろしげな女性でることと共通するものがある気がする。



般若の面はインドの恐ろしい女神の末裔なのだろうか…





【流派に属さず個人の舞踊家として「動く錦絵」と言われた武原はんの動画があったので時々観ている。】