初物 歴史を歩く 今そこにある
夜半になって戸外で老僧の声がするので何事かと思ったら、火星を観ているとのこと。
本日は特別に火星が大きく視えるという。
一緒に空を見上げていると黒々とした木陰のなかをホタルが点々と飛ぶのが見えた。
今年初めて見るホタルである。
5、6匹のホタルがゆっくりと舞っていた。
夏は、夜
月の頃はさらなり
闇もなほ 螢の多く飛び違ひたる また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし
雨など降るもをかし
初物といえば本夕は万願寺とうがらしを頂いた。
万願寺は天ぷらがよく合う。
ほろ苦い味と油の相性の良さ。衣の軽い食感が心地よかった。
本日は地元の公民館の主宰で『歴史街道ウォーク』が行われた。
兼務寺院である御室派の観音寺というお寺がゴールである。旧道を通って標高300メートルほどに位置する観音寺へ。地元の歴史研究会から境内の諸堂について説明を受る。
その後、本堂で観音寺の歴史について1時間ほど話してほしいと依頼を受けていたのだが
いざ話始めて…だいぶ話したと思って時計を見たら30分しかたっていない…
だんだん話がグズグズになってゆく…
冷蔵庫に入れ忘れたバニラアイスのように…
仕方が無いので観音信仰についてお話したあと、観音経を唱えてなんとか時間を伸ばす…
観音寺×観音信仰×観音経
ここから何か伝わってくれ…と。
やっぱり無理矢理だ…
仏教は釈尊によって説かれたが、日本仏教においては“お釈迦様”への帰依よりも諸仏諸菩薩への信仰がその中心を占めていった観がある。
なかでも観音信仰の広がりは今日の私たちの想像を越えたものがあったのではないだろうか。
最も読誦される経典である「般若心経」もまた観音菩薩が一切を空であると照見することがその真諦である。
その意味では「般若心経」と「観音経」という日本人にとって双璧をなすお経が深く連続しているといえなくもない…これは興味深い点である。
『歴史街道ウォーク』の企画も今回で4回目だそうだが、地元の方々が自分の足で歴史の旧跡を訪ねるというのは実は深い意味があるのではないかという気がする。
クーラーの効いた部屋で歴史の講義を受けるのではなく自分の脚でフィールドワークするということ。
自分の暮らす土地にある旧跡や歴史、自然を自分の肌で感じるということ。
お金が最も大切だという価値観が大勢となりつつあるなかで
お金の多寡よりも自分の暮らしに実感や納得をもって生きていくことが大切だと思う。
自分の今の生活に納得するためにも、自分の暮らす地域の歴史や自然を肌で知るということはとても大切だと思うのである
今の自分がいる場所を深く掘りなさい…というのは仏教から導き出される大切な教えであるように思う。
過去の自分に拘ったり、未来のこうなりたい自分に心を引かれていると自分が今立っている場所が分からなくなっていることが多い。
自分の立っている場所にしっかり根をおろしてよくよく眼をこらせば必要なものが見えてくるかもしれないと…お話しながら納得するものがあった。
《オマケ》
【まるで何かが降りてくるような歌声】
【番組のなかの企画なのだが“Foever love”という歌の素晴らしさに感じ入った】
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