危険な居酒屋 有坂銃

 




親しい友人と久しぶりに連絡が取れたので一緒に夕食を摂ることになった。



駅前のコンビニで待ち合わせてすぐ近くの居酒屋へ。
居酒屋というのはあまり正しくない呼び方である。最近は「ダイニング」呼ばないといけないらしい。







一番奥の個室に通してもらう。注文はタブレットでできるというから当世風である。




2人とも本が好きなので最近読んだ本の話でもりあがり、そのうちにリラックスしてきて、後ろの壁にもたれようとしたら…






大転倒!



私の後ろは壁ではなく薄いパーティションが降ろしてあるだけだったのである…



個室の周囲は淡いグレーの壁なのだが、私の背後だけ全く同じようなグレーのパーティションが降ろしてあったのだ、




そのパーティションを上げると隣の席をつなげて広く使えるしくみなのだが、見れば見るほど壁の色とパーティションの色がそっくりなのである…



そんなのありか!



幸い隣の席は空席だったから良かった。


隣に人がいたら、剃髪して目つきの悪い男が突然頭から突っ込んでくるというハプニングに逢うところだった。




駅そばの居酒屋は少々危険である。





有坂銃―日露戦争の本当の勝因 (光人社NF文庫)

有坂銃―日露戦争の本当の勝因 (光人社NF文庫)



忙しかった3月がようやく終わり反動のように古書ばかり買っている。





本日読みはじめたのは兵頭二十八「有坂銃」(光人社NF文庫)。



サブタイトルは「日露戦争の本当の勝因」とある。



日露戦争の陸戦兵器、特に野砲と歩兵銃を主に取り上げている。日本の野砲、歩兵銃の開発に携わった有坂成章という陸軍軍人を丹念に描くことで日露戦争の野戦兵器の開発、日露戦争の帰趨に触れる。


日露戦争の兵器といえば下瀬火薬や伊集院信管などが海軍のものが有名だが、有坂成章は当時陸戦の中心であった野砲と歩兵銃の両方の開発に携わったという意味でもっと取り上げられて良い人物のようである。


特に有坂の開発した歩兵銃『三十年式歩兵銃』(欧米での通称は“アリサカ・ライフル”)は命中率の点でロシアの小銃を圧倒していたことが日本軍の勝利できた最大の要因であったというのが著者の結論である。


(『三十年式歩兵銃』は世界水準の優れた設計に基づいていて、この『三十年式歩兵銃』を改良した『三八式歩兵銃』は第二次世界大戦まで日本軍の主要な小銃として使用された。)



兵頭二十八氏は兵器に対する強い愛着と関心と博識があるようである。


同氏は多作な人物だが他の著書を読んでも兵器について語りはじめると俄然言葉が光りはじめるようなところがある。








本書でもその資質が遺憾なく発揮されていて兵器について語るその熱々とした語りを読むだけでに読書の愉しみを堪能できる。



その人が最も好きで関心をもつものについて語るとそこに何かが感じられることがある。何かを好きになるというのはとても大切なことなのだと思う。そういうものをもてないのはやはり人生で損をすることになるような気がする。






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