仏様のトリアージュ  筋トレより大事なもの

残暑厳しい1日。





昨日は駅前に用事があったのでついでにレンタルショップで「コード・ブルー」のシーズン1のDVDを借りようとしたら財布の中のカード類がごっそりなくなっていてレンタルショップの会員カードもないため借りるのを断念。



今朝になって車のなかからカード類がでてきた。財布から滑り落ちたらしい。



さらに…



本日から「コード・ブルー」のシーズン1がテレビで再放送開始。



借りていてたら相当がっかりしたことだろう。



本日の格言『人間万事塞翁が馬




数日前兼務寺院の本堂で施餓鬼法要の片づけをしていたら


遊びにきた小学生の姪がニコニコしながら


「あの仏様傾いてない?」



と一体の仏様を指さす。


そんなはずは…


はずは…



傾いている!


須弥壇の端に祀ってある毘沙門天像が不自然に傾いているではないか。






須弥壇に上って調べると台座になっている天邪鬼の寄木が緩んでほぞ穴に隙間が広がっていた。




等身大近い仏像なので重量もかなり重いうえに一段高い須弥壇から落下したら大破は確実である。寄木のゆるんだ部分に重量が掛かっているのは明白で倒壊も時間の問題のように思えた。



昨年も月光菩薩が転倒して腕や光背が大破した。


守るべき文化財は多いがすべてに手厚い保全も難しい。


コード・ブルー」でもトリアージュといって緊急搬送する患者の優先順位を決断しなければならない場面があった。


重症患者を軽症患者に優先するだけでなく、死亡が確実と判断された患者よりも治療すれば助かる患者を優先しなければならないという厳しい決断をせまられる場面もあった。



文化財も全ても守ることは難しいし、まずは本堂のを護持することが先決だと考えるが長年劣化し続ける仏様をそのままにしておくこともできない。




これから地方の人口減少にともなって失われる文化財も多くなることを思うと胸が痛む思いがする。




一昨日は転倒予防のために細い針金を仏像の前に張った。(実際に倒れてきたらどれだけ実効性があるかは疑問だが)


本堂で作業していると不思議な音が聞こえ始めてギョッとした。本堂に居るのは私1人なのに物音がし始めたからである。



その不思議な音はかなりしばらく続いてがだいぶ経ってからそれが“水”のしたたり落ちる音だと分かった。


天井裏に棲むなんらかの野生動物が排尿したものが落下してきたらしい。



古い寺院の屋根裏に動物が住み着いているのは確実ではあるがこうした現場に立ち会うといよいよリアルに山寺を護持することの困難さを実感せざるを得ない。





書店で勇崎賀雄『50歳からは「筋トレ」はしてはいけない』という本を見つけた。



最近は<〜してはいけない>的なキャッチーな本も随分多いなって…と思いながらも手にとったら実践的な身体哲学の本で面白かったので衝動買い。



本もほとんど密林の古書で買うのが常套だが、お盆あけで少々気が大きくなっている。



スクワットに代表されるような筋力トレーニングには弊害が多いこと具体例をあげて指摘している。


本書は<骨>を鍛えることをテーマにしている。

最近の研究では骨が単に人体の力学的な構造を担う物理的構造物だけではなく骨随で血液を作り、免疫細胞(T細胞)を作り、カルシウムを貯蔵・供給し、さらに各種ホルモンの調整をするなどエネルギーの循環・代謝においても大きな役割を果たしているという。


本書では呼吸法や操体法により現代医学では強化やメンテナンスの難しい骨の構造や機能にアプローチする方法を公開している。






地方に暮らして、寺院を護持するという責任を担い、自分自身もいよいよ老いを自覚するようになるとあまり良い材量が無い…



それでも




人間の心や身体が潜在的に持つ可能性を信じたい



ということと



地方というものが持つポテンシャルも決して捨てたものではないと思う。




この2つが合わさったときによりよきものの生まれることに信を置きたいと感じている。




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