セキュリティ画面 秋の田の
諸般の事情により太極拳の代理教授を引き受けたが自信があるわけでもないので迷いながらの指導である。第3週を除く木曜日は太極拳のレッスンを行っている。
本日も何か良いトレーニング方法はないか…とネットを検索していたら突然画面がフリーズし、『セキュリティ』と書かれた画面が現れた。
この手の“セキュリティ”画面はフェイクで立派な詐欺行為なのだが、音声で警告文書までナレーションし始めたので少々うんざりである。
一応、セキュリティソフトも入れているのにどうしてこういう事態になるかは謎…
本夕は夕焼けが綺麗だった。
先週も夜7時前に太極拳に行く途中に随分と綺麗な夕焼けが見られたので本日は車にカメラを積んで出発したが既に日が暮れていた。日毎に日の暮れるのが早くなっている。
山寺の周囲の秋の刈り入れも終盤へ。
多くの田んぼで刈り入れが終わっている。
秋の田の 仮庵(かりほ)の庵(いほ)の 苫(とま)をあらみ
わが衣手(ころもで)は 露にぬれつつ
動画を見ていたら小名木善行さん(通称“ねずさん”)がこの歌の解説をされていた。
小名木善行さんによれば最近のこの歌の解釈では
天智天皇が粗末の小屋を訪れたら、露で袖が濡れてしまったと怒っておられる…
みたいな解釈が多くてあんまりだと嘆いておられた。
クレーマー天皇って…
小名木善行さんの動画を見ていた流れで密林のサイトを覗いたら田辺聖子「田辺聖子の小倉百人一首」が面白そうで思わず購入。
- 作者: 田辺聖子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1991/12/01
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後から倉庫を探したら高橋睦郎「百人一首 恋する宮廷」(中公新書)が出てきた。
- 作者: 高橋睦郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2003/12/01
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本書によれば百人一首の冒頭に天智天皇の歌が置かれているのは詩歌を統(す)べるのは天皇であるという意識が存在したことと、もうひとつは天皇は詩歌を統(す)べることで農作物の実りを保証し、国民の安寧を保証するという考え方あったという。
なるほど…
日本の詩歌の基本にある恋歌は単なる恋愛の描写ではなく、恋愛の力によって天地自然に生成化育の力を発露させたものであるという。
ごく普通は
露→涙
という連想が成り立ちますよね?
袖が濡れる→涙
というのもごく普通の連想です。
やっぱりこの歌は秋の早朝(夜半)の寒さで袖が濡れたことを
表面の意味としては以後にはなんらかの涙(悲しみ)を隠しているではない。
よくドラマとかで
「泣いてるの?」
と言われて
「ちょっと眼にゴミが入っただけ」
みたいなベタなセリフがありますがそんな感じだろうか。
高橋氏もこの歌の根底は「あなたを思う思いの露(涙)に濡れとおしで眠れなかった」という底意があるという。
何よりこの歌は声に出して読んでみると実に調子が良い。
母音だけ拾ってみると
あいおあお あいおおいおお おあおああい ああおおおえあ うういうえうう
全体にあ音の響きが豊かである。
気になるのは
「秋の田」と「かりほ」が同じ<あいお>という母音で構成されていること。
これが偶然なのか、もう少し別の意味があるのかは不明。
秋の夜長に和歌についてあれこれ考えるの楽しい時間である。
太極拳からの帰りは9時半ころになるがついでに境内をパトロール。
鹿を5匹と不審車両1台に遭遇。
鹿の鳴き声も物悲しく秋に聞くと風情がある。
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
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