お経さん 美坊主


毎年1月18日は海浜の集落で祈祷行事が行われる。




車で峠を越えて山道を下ってゆくと突然眼下に海が見える。


砂浜、大きな岩山、沖合の小島、松並木…地元の方々にはなんということの無い風景なのだろうが、初めて訪れると心の沸き立つような景色である。


海岸を見下ろす小高いお寺で御祈祷を行う。一体、何百年続いているかもさだかではなく、行事の正式な名称すら不明である。


大般若経という大部の経典を置いて祈祷し、祈祷の後は裃を付けた子供が経箱に経典を入れたものを持って集落の各家を回る。子供たちは「お経さんが入ります」と言って家々を歩く。



御祈祷の後は会食。毎年御接待していただいて地元の食材を使った料理を振舞って頂く。今年初めて海で採れたという初物の岩ノリを入れたすまし汁が絶品。地の物を頂くというのは最高の贅沢だと思う。




老僧から祈祷を引き継ぎもう7、8年この行事を行っているが、祈祷に際して本尊として仏画の掛け軸を持参して祈祷していた。


老僧は本尊である薬師如来の軸を持参していたのだが、劣化してきたので近年は千手観音の仏画を掛けていた。


今年は先方のお寺が新調された『般若十六善神』の仏画を掛けての祈祷。


般若十六善神は仏法と般若経を守護する諸神が描かれている。



般若経を前に祈祷する場合には最適ともいえる。実際に祈祷始めると明らかに普段と違う感覚があり興味深かった。



般若経と総称される経典には沢山の種類があるが、最も有名なのが「般若心経」であることはいうまでもない。お経というと法事、葬儀、法要などで読経する印象が強いが、かってはお経そのものが特別な力を持っていたという信仰があった。その名残がこうした行事なのであろう。可能な限り後世に引き継いでゆきたいものである。




「キッサコ」というフォークユニットが「般若心経」をコーラスで歌っている動画を見たがなかなか素敵な歌声で感心しまった。ボーカルは禅宗のお寺の副住職さんらしい。声質がとても素敵だと思う。






【美坊主さんです!】







         ブログランキ

ング・にほんブログ村へ
にほんブログ村←いつもご訪問ありがとうございます!
丹後の山寺の住職に応援のクリックをポチッとおねがいします(^人^)






.