季節の足音 遠蛙
サツキが咲き始めている。
オオデマリの花が薄い綺麗な緑色をまとい始めている。
白い花も良いがこの時期のオオデマリも涼しげで良いものである。
季節が駆け足で進行しているようである。
季節の移ろいの全てが早い。
夜半に寺務所に入ると大きなムカデがのっそりと這い出してきた。ムカデが出始めるのまでも少し早いような気がする。
この時期は少しづつ薪作りを始めないといけない。
適当な木を切り倒し、庫裏の裏手に運んで電動の丸鋸で裁断し、太いものは斧で割る。
いそがしいとどうしてもデスクワークが増えるので毎日小一時間くらい薪作りをするのも気分転換になる。
本格的な作務というほどではないが、やはり体を動かすことは大切だと感じる。
先日、熊野の山奥で生活されているという男性と御話する機会があつたが、不便な生活のなかに生きているという実感を感じると言っておられたのが印象的だった。
私にはその感覚はとても正しいと感じる。
- 作者: 荒崎良徳
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- 発売日: 1988/04
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田んぼや水辺にゆくと蛙が鳴き始めている。
鳥の声、虫の声、水音、風音…どれも心地よいが蛙の声はとても好きである。
曹洞宗の住職で養護施設の園長として東奔西走され、仏教者としても教化に尽くされた荒崎良徳という方居られたと教えて頂いた。
古書で「観音様のまなざし」という著書を見つけて購入。
帯に「天下の人の為に陰涼と成らん」とあって、胸を突かれるような言葉だった。
文面から伝わってくる人柄が誠に素晴らしく感じられる。
無着成恭師とのエピソードが書かれていて、無着師の色紙の写真があった。
そこに書かれていた句が「羯諦羯諦と となえて 遠蛙」。とても良い句だと思う。試しに耳を澄ませるとかすかに蛙の声が聞こえたので嬉しくなった。
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