春の味覚
早くもフキノトウが顔を出した。
去年、禅宗の精進料理の本に「フキノトウを胡麻油で炒めてお粥に入れる」という一節があったので、試しにフキノトウを胡麻油で炒めて食べてみた…野趣のある味という言葉しか見つからないが、普段口にする野菜がとても人工的に感じた。野趣という言葉ではまだ足りないかもしれない。「野性の味」のほうがぴったりくる。
春の味覚といえばもうひとつ、ワカメの新芽を乾燥したものをこのあたりでは食べる。
とても柔らかく、味噌汁などに入れると溶けてしまう。黒や褐色の混じった干しワカメを軽く火であぶると、すぐに鮮やかな緑色になる。そのまま食べるか、細かく砕いて温かいご飯にかけると絶品である。
初めて、このワカメの新芽を食べた時は繊細な味に感動したのを覚えている。
もうひとつは水の味である。
境内に手水場があるが、この時期の水を口に含むと雪の味がする。
溶けた雪が地面にしみこんでいるのだと、当たり前のことを実感する。
春はもう近い。
※ ホームページの写真を一部更新しました。御笑覧頂ければ幸いです 合掌
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