春のカキアゲVSホンダワラへのリベンジ料理
【お坊様のレストラン】
檀家さんにフキノトウをもらった。
母親が晩ごはんのしたくをしているのを見たら、フキノトウの外葉をむいて、芽のところを天ぷらにしていた。外葉は捨てるという。
外葉の部分は柔らかな淡い緑をしていて、いかにも春らしい感じがするので、カキアゲにすることにした。
スライサーでジャガイモとにんじんを千切り状にし、刻んだフキノトウの外葉を混ぜ、水と小麦粉を適当に入れて揚げてみた。
油はオリーブオイルをフライパンに1センチくらい張って揚げた。
ジャガイモの淡白な色に、にんじんの赤、フキノトウの緑が綺麗である。
細切りのジャガイモはよく揚がってカリッカリッ、サクッサクッとした歯ごたえと甘みがある、そこににんじんの甘みとフキノトウのほろ苦さが加わって食が進むこと…
冷蔵庫に天つゆが残っていたので、天つゆで食べたが、塩だけで食べても美味しいだろう。
今年からは春の定番にした味である。名付けて「春のカキアゲ」。
もう一品はホンダワラを使ったおかずを一品。
これには説明が必要である。お寺の用事で久美浜へ行ったとき、道の駅の売店に真っ黒な海草を売っていた。聞けばホンダワラだという。ウチの地域ではホンダワラを食べるという話は聞いたことが無い。せいぜい畑の肥料にするくらいである。好奇心がむくむくと湧き試しに買ってみた。
売店のおじさんの言うままにホンダワラを醤油と砂糖で煮たのだが…これがスゴイにおいがするのである…
夏に海水浴に行ったとき、浜辺に打ち上げられた海草が真夏のじりじりと太陽に照らされて発するニオイといえばご理解いただけるだろうか。家族は誰も箸をつけない。
ホンダワラはタッパーに入れられて冷蔵庫行きとなったのだが、捨てるわけにもいかないので再利用することにした。
にんじんをスライサーにかけて千切り状にし、ごま油で軽く炒める。
そこへ小口に切った厚揚げと例のホンダワラの煮物を加える。
醤油、みりん、日本酒を加えて少し煮詰めた。
今度はどうやら成功…ごま油の風味やにんじんの甘みのおかげでホンダワラの存在感が和らいだ感じである。彩りも厚揚げの白、にんじんの赤、ホンダワラの黒と綺麗である。
もちろん無理にホンダワラを食べることをすすめるつもりは無い(笑)
ホンダワラをもどしたひじきにかえればごくふつうの一品になるはずである。野菜、海草、大豆製品と食材の組み合わせも良い。
もっともホンダワラの煮物がまだタッパーに半分くらい残っている、さてどう料理したものだろうか…