お彼岸の黒い三連星
昨日はお彼岸の中日。
春と秋の彼岸には17日の彼岸の入りから20日まで松尾寺(西国観音霊場29番札所)に出仕することになっている。
僧侶の必携アイテムと言えば袈裟、念珠、朱扇ではないだろうか。
おそらくどの宗派にも共通していると思われる。
たった3つしかないのだが時々、これらを忘れて冷や汗をかくこともある。
忘れものが多いのは子供の頃からである。小学校の頃、クラスの後ろに張り出された“忘れ物グラフ”が私だけ飛び抜けて多く、グラフ用紙のテッペンまでいったグラフが下にターンして折り返した記憶がある…
彼岸の入りから松尾寺御住職をはじめ真言宗の僧侶だけでお勤めするが、中日は地元の主だった寺院の御住職方も参加され、普段より改まった法要になる。
昨日は、松尾寺の前住職から引金(いんきん)を引くように言われた。
引金というのは鐘に持ち手についたもので法要や葬儀の必需品である。
若年の僧侶が進列の先頭に立って、引金を打ちながら進列することを“引金を引く”と言うのである。
進列開始の直前になって隣の和尚さんが「ワシの朱扇が無い…」と探しはじめた
…暫くして
自分の胸本に…
2本の朱扇が…
引金を叩く時、両手がふさがるので朱扇を胸元にさすのだが、私は2本差していたのだ。
もちろん一本は隣の席の御住職のものである。
黒星ひとつ…
進列5分前になって松尾寺の前住職が置かれた引金が無くなっている。
思わず
「引金が無くなってるっ!」
と言ったら…
眼の前のテーブルの上に自分が置き直していたのを忘れていた…
黒星2つ目…
庫裏の玄関から進列しようとして、気を取り直して
「それでは進列させて頂きますっ」
と言ったら全員コケそうになった。
「導師!導師!」
その場に居た、全員から導師コールが…
当り前だが進列の中心は導師である松尾寺の御住職である。
私は御職が来られないうちから進列を開始しようとしたのだった…
周囲はすっかり失笑モードへ…
「なんか悩みごとでもあるの?」などと聞かれたり(涙)…
ハイ、自分の落ちつかなさが悩みです。
【左から朱扇、引金、念珠。僧侶の必須アイテムです。】
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