お坊さん達の結婚式

昨日は本山の同期生の結婚式に出席のために九州へ。

披露宴の前に行われた仏式の結婚式では、本山の№2である宗務総長が戒師(教会での結婚式の牧師にあたる)を勤めて厳粛に行われ、披露宴も地元の由緒正しいホテルで盛大に行われた。

 私も昨年、自分のお寺で仏式の結婚式を挙げたが、戒師は住職が勤め、来賓も双方の両親の兄弟が20名足らず。式の後は庫裏で仕出しのお弁当を食べただけだったが、同じお坊さんの結婚式でも今回はエライ違いである。

 来賓の総数は200名以上でそのうち70人以上がお坊さんであるからなかなか壮観である。

 お坊さんというのは広い人脈を持っていて、知らないお坊さん同士が出合っても話してみると大抵、共通の知人が居たりする。人脈の広いお坊さんが70名以上同じ会場に居て、しかもめでたい席でお酒が入ったものだからスゴイことになった…

「 私、○○寺でお世話になってた者で…」「おーっ、そのお寺の御住職なら私の兄弟弟子ですぞっ!」とか「私とおたくのお父様は本山で修行した仲で…」とか「先日の××大法要では大変お世話になりました」などなど…

 新郎の友人代表としてスピーチを頼まれ、スポットライトの当たる金屏風の前に立ったものの、緊張気味に会場を見渡すと、半数以上の来賓が席を立って、もんのすごい勢いで談笑している。とゆうか殆どこちらを見ていない…そう気付いたら急に肩の力が抜けて、なんとか無事にスピーチを終えられた。

 女性は言葉や物で愛情を表現されないと相手の気持ちを実感できない。男性は自分に相手を思う気持ちがあればその気持ちを言葉に表したりすることが照れくさくなったり、めんどうになる。新郎は自分の気持ちをしっかり言葉にして奥さんに伝えてほしいし、新婦は言葉にならない新郎の気持ちを汲み取ってあげてほしい…そんなことを伝えたつもりだが、当のご本人達も長い行列を作って挨拶しにくる来賓への応対で一杯一杯の御様子。

 新郎のお父様にお会いしたのは2回目だが、とても素晴らしい方だと思った。
 親族を代表しての挨拶で「自分達夫婦は町の小さな公民館でささやかな結婚式を挙げたが、自分達の息子がこんなに大勢の人達に囲まれて式を挙げられ本当に幸せです」という一節には来賓一同感動。期せずして会場から大きな拍手が沸き起こった。

 殆ど檀家さんの無いお寺にもかかわらず地元では知らない人の居ない立派なお寺に盛り立てていかれたのは並大抵のことではなかったと思われるが、新郎にも是非、ご父君のような立派な住職になってほしいと願わずにはいられなかった。

 披露宴の後、二次会、三次会にも参加したが、最後はホテルの私の部屋に本山の同期生だけが集まって3時近くまで語り合った。本山に居た頃の話を始めると、尽きることがない。楽しい時間だった。

 友達が遠方より来るのは楽しいものだという「論語」の有名な一節があるが、友達を訪ねて遠方まで訪れるのもまた楽しいものである。