スプーン一杯の幸せ

地元のミニコミ誌を読んでいたら天然の蜂蜜は花粉症対策に有効であると書かれていた。

花粉症対策として朝晩、純粋な蜂蜜(水あめなどの入っていないもの)を小さじ一杯なめると良いのだそうである。症状の軽い花粉症には大変有効なのだという。

考えてみると蜂蜜は花粉からできている。効果は確かににありそうである。

ちなみにミツバチの女王蜂は毎日千個の卵を産む。そして働き蜂は全てメスなのだという。オスは数百匹しかいないが、あんまり働かないそうである。ちょっと面白い。(英語でミツバチのオスを意味する“drone”は「怠け者」という意味である。)

そして一匹の働き蜂が一生の間に集める蜂蜜はスプーン一杯程度だという。



夕方、兼務している山寺に団体参拝のバスが来るというので、車で出かけた。

数日、雨天が続き、今日は珍しく晴れ間が見られた。
桜は殆ど散り始めている。
風が吹くと、道路に落ちた桜の花びらが燦爛として綺麗である。風に舞い上がった花びらが車のボンネットにまで飛んで来る。淡い花びらの色はあと何日持つのだろうか。

山寺に着くと、随分気温が下がっていた。本堂でお寺の説明をしていると息が白く見えた。寒くて少々閉口した。

帰り道を車で走っていると、田んぼのあちこちにとうの立った大根に白い花が咲いていたり、畑の隅に抜かれた大根が打ち捨てられていた。
この時期よく見る光景である。山寺でも取れすぎた大根を持て余すことが多い。最近は毎日のように犬の餌にすの入った大根を入れていたら、犬が大根だけ残すようになった。仕方がないので、今日は大根を下茹でしてから餌に入れてみた。なんかものすごく無駄なことをしている気がする…



数日前に古い友人と会って話していたら、とても悲しい胸の潰れそうな話を聞いた。

どこにも救いがなく、私自身もとても無力なので今日はそのことを少し引きずっていた。

車で走りながら、自分自身の生活を振り返って、こうして暮らしているというささやかな日常をもっもっと喜ばなくてはいけないのかもしれないと思ってみたりした。

ミニコミ誌に金子みすずの詩が載っていた。


『はちと神さま』  金子みすず


はちはお花のなかに、
お花はお庭になかに、
お庭は土べいのなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、
神さまは小ちゃなはちのなかに。

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