「すぐわかる水墨画の見かた」

【お知らせ】


HPを少々更新致しました。
ご笑覧下さいませ
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【山寺の本棚】

冒頭から「看板に偽りあり」で申し訳ないのだが、水墨画はそうわかりやすくはない。
主な理由は三つ。
一、 現代では「水墨画」を理解する共通基盤が失われている。
二、 絵は「わかるもの」でもあるが、まずは「感じるもの」だ。
三、 「水墨画」とは何か?ということが実ははっきりしない。

       「すぐわかる水墨画の見かた」


本日も午後から雨。本当に雨が多い。そしてこの時期に雨が降ると、そのあと雑草がわんさか生え始める。いよいよ草刈の季節である。


京都の国立博物館で「長谷川等伯展」を開催中である。
期間は一月ほどなので何とか見たいと思っている。

すぐわかる水墨画の見かた

すぐわかる水墨画の見かた

昨年買って時々パラ読みしているのが「すぐわかかる水墨画の見かた」という本である。

東京美術という出版社がどういう出版社かよく知らないのだがとにかく収められている水墨画の写真が美麗で観ていて飽きることがない。

そして収められた名品の数々。
雪舟等伯白隠、探幽、雪窓、鉄斎、などなどの代表作が納められ、簡に要を得た説明加えられている。

水墨画は単色の世界だが、そこに驚くべき色彩と造詣が溢れている。

それにしても、退色した現代に伝わる水墨画が描かれた当初はどのような鮮やかな色調べだったのか想像するとなかなか楽しい。

当時の人々は単色の世界を豊かな自然の色彩に還元する力を持っていたが、現代の私たちはその力をうしないつつある。

先日、車で田舎道を走っていて、田んぼの中に烏が一羽止まっているのが見えた。田の緑を烏のつややかな黒の対比がとても美しかった。

もし、この情景を水墨画で描いたとして、都会に住む人間がその美しさをどれくらい理解できるだろうかとふと考えた。

或いは往時とは比べ物にならないくらい照明の発達した現代と水墨画が描かれた当時、画家の想定した環境とは別世界の明るさではないかと思ったりする。

この本を読むとそうした楽しい妄想で頭を一杯にすることができる。


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